2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経・筋疾患に対する新規細胞医療法の開発:歯根膜の細胞ソースとしての可能性を探る
Project/Area Number |
22791943
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
富永 徳子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (90546532)
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Keywords | 歯根膜細胞 / 筋細胞 / ニューロン / 再生医療 / 細胞移植 / 活動電位 / mdxマウス / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
我々は、ラット歯根膜細胞から筋細胞と神経細胞(ニューロン)の分離を行った。分離した細胞は継代培養により維持が可能であった。本研究は、我々独自の分離培養法で分離したラット歯根膜由来筋細胞およびニューロンの機能解析と、ヒト歯根膜組織からの同細胞の分離を目的とする。また、歯根膜由来筋細胞は、mdxマウス(デュシャンヌ型筋ジストロフィー疾患モデルマウス)に、歯根膜由来ニューロンは脊髄損傷モデルマウスに移植することで運動機能の回復を図るという、新たな細胞移植による再生医療の開発を目指す。以下に平成22年度に行った概要を示す。 1.ラット歯根膜由来筋細胞とニューロンの活動電位測定 分離した歯根膜由来細胞が、筋またはニューロンの特異的な遺伝子とタンパクを発現していることから、筋細胞およびニューロンであることを同定した。さらに、筋細胞やニューロンは特徴的な細胞膜の活動電位を示すことから、膜電位の測定を行った。 2.GFP発現ラット歯根膜からの筋細胞、ニューロンの分離 分離した細胞を疾患または障害モデルマウスに移植し、GFPタンパクを指標として成体内でのGFP陽性細胞の動態を観察するため、GFP発現ラット臼歯から筋細胞、ニューロンの分離を行った。 3.筋疾患および脊髄損傷モデル動物の作製 本研究の歯根膜由来筋細胞はmdxマウスに、歯根膜由来ニューロンは脊髄損傷モデルマウスに移植する。そのため、移植に最適なmdxマウスの月齢の検討と、脊髄損傷モデルの作製を行った。 4.ヒト歯根膜組織からの培養 我々独自の培養法を応用し、ヒト抜去歯から筋細胞およびニューロンの分離条件の検討を行った。
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