2011 Fiscal Year Annual Research Report
積層化骨芽細胞シート‐rhBMPによる骨再生系の確立
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22791945
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 達秀 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70367621)
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Keywords | 骨再生 / 骨芽細胞シート / 積層化 / rhBMP |
Research Abstract |
骨の実質欠損を再生・再建する際には主に自家骨移植,同種骨移植,他家骨移植が行われる.また,骨移植の代替的手法として人工材料である骨補填材が移植される.しかし,自家骨移植の場合,骨の採取は患者への侵襲が大きいことや,移植後 骨が経時的に吸収されることが問題となり,同種骨・他家骨移植では移植後 宿主との免疫反応が問題となる.一方,骨補填材はその生体親和性の良し悪しが問われ,さらに,非吸収性材料の場合は半永久的に患部に留まることによる生体への危険性も危惧される, 本研究では,温度応答性培養皿を用いて作製した積層化骨芽細胞シートを骨欠損部に移植し,骨の再生を促すことを目的としている.平成23年度は新たにプライマリーセルであるSprague-Dawleyラット由来の骨芽細胞(V-1細胞)を入手し,同細胞を温度応答性培養皿上での培養および,シート上に回収することを中心に行った.その際,今後頭蓋骨欠損部に移植することを想定して48穴(1.1cm^2/well)の培養皿を用いた.しかし,V-1細胞はコンフルエントに達するまでに10日から14日程度要し,その間細胞外基質も比較的多く産生するため培養終了後細胞をシート状に回収することが困難であった.まずはこの点を改善する必要がある.さらに今後は,細胞シート積層化時に各種ヒトリコンビナントBMP(rhBMP-2,rhBMP-4,rhBMP-7)を添加し積層化骨芽細胞シート-rhBMPの作製を試みる.同細胞シート作製後に頭蓋骨欠損部に移植し,骨の再生を助長する,あるいは治癒期間の短縮が可能かを検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度は骨芽細胞様細胞のセルラインを用いて実験を行い良好な結果を得ていたが,平成23年度は同細胞のプライマリーセル(V-1細胞)を用いて行った.即ち,セルラインとプライマリーセルとでは増殖時の性質が異なっており,プライマリーセルを用いた場合にも細胞をシート状に回収する,あるいは,シート状に回収した細胞を積層化するための最適な条件を見出さなければならないが,その最適条件を見出せていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
まずはシート状に細胞を回収可能となるよう試みる.V-1細胞はコンフルエントに達するまでに約2週間要し,その間 産生された細胞外基質が細胞をシート状に回収することを困難にさせていると考える.この対応策として,用いた培養液の組成を変える,あるいは培養液中の成分濃度を変えるなどして実験を継続させたい.また,回収時の温度も細かく調整し,最適温度も見出す必要がある.
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