2010 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクスに基づいた口腔前癌病変悪性化のメカニズムの解明
Project/Area Number |
22791955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 雅修 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (10392333)
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Keywords | エピジェネティクス / 口腔癌 / 口腔前癌病変 |
Research Abstract |
【ゲノム網羅的DNAメチル化探索により得られたフラグメントの口腔扁平上皮癌細胞株を用いたメチル化解析】口腔扁平上皮癌細胞株2系統(Ca9-22、HSC-2)においてメチル化異常が認められたCpGアイランドのフラグメントはのべ約40,000個であった。そのうち遺伝子のプロモーター領域(転写開始点から5'上流300bpまでの領域)に存在するフラグメントは1%程度であった。発がんに重要と考えられる遺伝子を選択、抽出し、それら遺伝子のプロモーター領域のCpGアイランドにおいて、口腔扁平上皮癌細胞株5種類において、実際にメチル化異常が存在するか否かを調べることにした。メチル化解析の方法としてはMethylation-Specific PCR(MSP)法を選択した。MSP法においては、解析を行うそれぞれの遺伝子のプロモーター領域のCpGサイトをターゲットに、メチル化DNA特異的プライマーおよび非メチル化DNA特異的プライマーを各々デザインした。プライマーが特異的であるかどうかをチェックするために、コントロールとして、メチル化DNA(Sss1 DNAメチラーゼによって処理されたヒトDNA)、非メチル化DNA(ゲノムDNA増幅薬Genomiphiによって処理されたヒトDNA)を用いた。メチル化解析にはJCRBから購入した口腔扁平上皮癌細胞株5系統を用いた(Ca9-22、HSC-2、HSC-3、HO-1-N-1、SCC-4)。DNAサンプルは制限酵素で断片化、Bisulfite(重亜硫酸ナトリウム)処理による塩基置換を行った後、精製し、解析に用いた。一回のBisulfite処理には、信頼できる結果を得るために各々最低500ナノグラムのDNAを用いた。 今後、メチル化の違いが確認できたフラグメントに関してBisulfite-sequencing法を用いて各々のCpGサイトがどのようにメチル化されているか詳細に検討する予定である。また臨床材料を用いた解析を行うために手術検体の収集、臨床データの記録等の準備を進めている。
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Research Products
(1 results)