2011 Fiscal Year Annual Research Report
microRNAを用いた末梢神経障害における新たな神経再生療法の開発
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22791957
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古賀 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10392408)
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経損傷 / microRNA / 再生医療 / 末梢神経 |
Research Abstract |
【目的】顎顔面領域において治療が困難と考えられている神経障害、特に末梢神経障害に対する新しい神経再生の治療開発を目指すことを目的とした。そこで申請者は、まず基礎的な分子生物学的解析が必須であると考え、脳特異的に全てのmicroRNAの発現を抑制させたDicer遺伝子操作マウス(DicerCKO)の神経幹細胞を用いて、顎顔面領域における神経損傷・障害と関連する遺伝子の同定し、将来的には、末梢神経再生の治療に結びつける。 【結果】H22年度までに得られたDicerCKOにおいて、神経幹細胞(ニューロスフェア)が野生型と比較して有意に減少したが、自己複製能を有していることが確認でき、また染色体の核型(カリオタイプ)には異常は認められなかったものの、クロマチン構造には影響していることが分かった。H23年度はH24年度と2年間で、神経幹細胞におけるmiRNAの分子メカニズムを解明するために、プロテオミクス解析を行い、(ニューロスフェアからタンパク質を抽出→SDS-PAGE(1D-gel)を用いて電気英洞によりタンパク質を分離→ゲルを染色→切り出し、トリプシン処理しペプチドに分解→massspectrometoryを用いて、個々のペプチドの構造情報をデータ-ベース中の配列と比較し、タンパク質を同定)、野性型とDicerCKOマウスのたんぱく質の発現レベルの差異をスクリーニングし、2900以上のタンパク質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロテオミクスの解析は進んでいたが、野生型と比較して顕著に差異が認められ、神経障害・損傷・および創傷治癒に関連するたんぱく質の同定にはいたらなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
予定どおり、プロテオミクスの解析において、野生型と比較して顕著に差異が認められ、神経障害・損傷・および創傷治癒に関連するたんぱく質の同定を行い、DicerCKOマウスのレスキュー実験が遂行できるようにin vitroでの系を確立する。
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