2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフォスフォネートによる顎骨壊死のメカニズム解明のための細胞培養モデルの開発
Project/Area Number |
22791963
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺田 典子 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (60374550)
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Keywords | 細胞・組織 / 歯学 / 薬剤反応 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
I.2次元培養におけるゾレドロネート(ZA、ビスフォスフォネート製剤)の影響 1.培地にZAを添加した口腔粘膜上皮細胞、口腔粘膜線維芽細胞は、MTT assay比色分析で、細胞活性、細胞増殖能共に濃度依存的な低下が認められた。 2.TUNEL染色、Caspases III染色、Annexin V染色、Caspases IIIおよびAnnexin Vを使用したフローサイトメトリー解析においてアポトーシスの陽性発現を認めなかった。 3.wound healing assay(創傷治癒評価)にて、コントロールでは細胞を剥がした12時間には無細胞領域はほとんど閉鎖していたのに対し、培地にZAを10μM添加したものは、創の閉鎖率が46%であった。 II.3次元培養(三次元培養複合口腔粘膜;EVPOME)におけるZAの影響 足場であるAlloDerm[○!R]上に上皮細胞を播種し、4日間液相培養、7日間液相気相培養。11日目から培地に濃度10μMのZAを添加し、7日間培養。18日目にEVPOMEをホルマリン固定。切片作製後、HE染色、Ki-67での免疫染色を行った。結果、11日目にはAlloDerm[○!R]上に分化した重層扁平上皮が連続して形成。18日目では、コントロールでは上皮層は角化が進行し、全体に厚みが増していたが、ZAを添加したものでは基底層細胞が扁平化し、細胞密度の減少、上基底細胞層の減少が認められた。Ki-67免疫染色では、コントロールと比べZAを添加したものは陽性細胞が有意に減少していた。 III.まとめ 口腔粘膜上皮細胞はZAにより、生物学的活性と恒常性が障害され、バリア機能と組織再生能が低下することが示唆された。ZAにより口腔粘膜上皮細胞の増殖活性抑制のメカニズムとして、アポトーシスが誘導されるのではなく、DNAに何らかの障害が起き、細胞が増殖、再生できない状況に陥ったと推測された。
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Research Products
(3 results)