2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂の一貫治療への患児由来羊膜および羊膜間葉系細胞の応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22791966
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
津野 宏彰 富山大学, 大学病院, 医員 (70377290)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 再生医学 / 羊膜 |
Research Abstract |
申請者は、口唇口蓋裂患児と両親の負担軽減のため、その一貫治療において患児本人由来の羊膜組織および羊膜間葉系細胞を応用することを検討している。具体的には、(1)口蓋形成術(push-back法)時に生ずる粘膜欠損に対して、あらかじめ乾燥保存しておいた羊膜組織を用いることにより創部瘢痕形成を抑制し、良好な顎成長を促す。(2)顎裂部骨移植術時の移植材として、羊膜間葉系細胞を用いた骨組織工学を応用することで、手術回(創)数の低減を試みることを前提としており、本研究は小児に対する臨床応用の安全性の確認とその指摘条件の確立のための基礎的研究を行うことを目的としている。 本年度は、複数のドナーからの羊膜由来間葉系細胞(HAM)の単離に成功し、in-vitroでの骨芽細胞分化誘導を試みた。HAMの形態学的特徴、表面マーカーの発現様式は、これまで報告されてきた骨髄由来間葉系細胞のそれに類似し、HAMが体性幹細胞としての要素を有することが明らかになった。またHAMは骨分化培地を用いて分化誘導を行うことにより、アルカリフォスファターゼ活性の上昇やカルシウムの沈着を示した。さらにHAMをリン酸カルシウム系のScaffold内で3次元培養を行ったころ、骨芽細胞マーカーであるosteocalcinの遺伝子発現が、平面培養に比較し、有意に上昇することが確認された。以上より、HAMの高い骨分化能が確認され、患児由来のHAMを用いた骨組織工学が将来的に臨床応用可能であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)