2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の浸潤・転移に対する血管新生阻害剤および線維芽細胞増殖抑制剤の効果
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22791967
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野口 夏代 金沢大学, 附属病院, 医員 (90547176)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 増殖抑制 / 繊維芽細胞増殖制剤 / シスプラチン / 血管新生阻害材 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌の浸潤と転移を臨床に近い状態で再現できる正所性移植モデルを用いて線維芽細胞増殖抑制剤(トラニラスト)を使用し増殖、浸潤、転移に対する抑制効果があるか否かを検討した。口腔扁平上皮癌で最も悪性度の高い浸潤様式4D型と診断された舌癌患者の頸部リンパ節より樹立されているOLC-01細胞をヌードマウスの舌に移植した。翌日より1%NaHCO3溶液に溶解した線維芽細胞抑制効果のあるトラニラストを腹腔内に連日投与し、腫瘍増殖に対する効果、浸潤に対する効果、転移に対する効果について検討した。移植腫瘍の大きさの平均はコントロール群とトラニラスト投与群では差が認められなかった。リンパ節転移に関しても両群に差は認められなかった。病理組織像で移植腫瘍がトラニラストを投与することで浸潤様式4C型や3型にダウングレードする傾向は認められなかった。結合組織量を観察するためアザン染色を行ったが両群に差は認められなかった。しかし、癌細胞の細胞増殖活性を観察するために増殖細胞核抗原PCNA抗体を、腫瘍組織の低酸素状態を観察するために低酸素誘導性因子HIF-1α抗体を用い免疫染色を行ったところトラニラスト投与群で陽性率が高かった。今回、トラニラストと抗癌剤を併用した群で用いたヌードマウスの半数が実験期間中に死亡し明確な結果を得るに足らなかった。次年度では併用群の投与薬剤の濃度や頻度に問題があると思われるため、再検討する。
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