2010 Fiscal Year Annual Research Report
Snailファミリーを核とした唾液腺発生の分子機構の解明
Project/Area Number |
22791973
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 佳孝 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (10551468)
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Keywords | 唾液腺 / 発達 / Branching / Snaiファミリー |
Research Abstract |
上皮間葉移行にかかわる遺伝子として同定されたSnail, SlugなどのSnail family遺伝子は、個体の初期発生、器官形成、癌浸潤などに多様な作用をする転写因子群とされている。唾液腺発達においても上皮間葉移行が引き金となり、器官発達が進むことが報告されているため、本研究は唾液腺発達におけるSnail family遺伝子の機能解析を目的として研究を行った。 まず、発達過程のマウス唾液腺組織でのSnail family遺伝子の発現を定量的PCR法、免疫組織染色法、in situ hybridization法で検討した。Snail, Slugともに唾液腺の分枝発達(Branching)がすすむ胎生E13.0-E14.0に発現は上昇し、成体マウス顎下腺でも高い発現を認めた。その遺伝子発現とタンパク発現は唾液腺上皮細胞に認められた。 マウス胎仔顎下腺の器官培養系で、snail, slugに特異的なsiRNAをそれぞれ導入すると、Slug siRNA導入でSnail発現が上昇し、Snail siRNA導入でSlug発現上昇し、それぞれの唾液腺組織での発現が相補的であることが示された。次に、Snail, Slug双方に対するsiRNAを導入して培養すると、対照群に比べて有意に顎下腺発達は抑制された。特に分枝発達が抑制された。以上より、snail, slug遺伝子は発達過程の唾液腺組織に発現し、唾液腺発達の分枝発達を促進する効果があることが示唆された。
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