2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の骨浸潤・骨破壊に対するangiogeninを標的とした治療法の基礎的検討
Project/Area Number |
22791979
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉岡 徳枝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50362984)
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Keywords | angiogenin |
Research Abstract |
本研究の目的は,癌誘発の骨破壊病変に対するangiogeninの役割ならびにangiogeninを標的とした治療の開発の可能性をさぐることにあり,H22年度は以下の項目について実験を行った. 《癌誘発の骨破壊病変に対するangiogeninの発現制御による治療効果に関する検討》 口腔扁平上皮癌細胞株HSC-2を用いたin vivo骨破壊モデルの作製した. angiogeninの分泌レベルが高いヒト口腔扁平上皮癌細胞株HSC-2に,angiogenin siRNA発現プラスミドDNAを遺伝子導入してangiogenin RNAi transfectantを作製した.6週齢の雄Balb C nu/nuヌードマウスの大腿骨骨髄腔内にangiogenin RNAi transfectantを注射して,大腿骨骨髄腔内注射モデルを作製した.SOFRONを用いて摘出した大腿骨の写真を撮影し,デジタル化した画像を解析して腫瘍面積の測定を行った.angiogenin RNAi transfectant群は対照群と比較して骨破壊が抑制された. 骨浸潤部の破骨細胞をTRAP染色にて染色し,TRAP陽性多核細胞数をカウントして対照群と比較したところ,angiogenin RNAi transfectant群では有意に破骨細胞数が減少していた.以上の結果から,angiogeninが癌誘発の骨破壊の治療に対して新たな分子標的になりうる可能性が示唆される.現在,VEGFなどの血管新生因子の局在ならびにRANKL, IL-6などの骨吸収促進因子の発現について検討している.また,6週齢の雄Balb C nu/nuヌードマウスの咬筋部にangiogenin RNAi transfectantを注射して,顎骨骨破壊モデルを作製し,同様に検討を加えている段階にある.
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