2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌・癌幹細胞におけるFGF結合蛋白HBp17の役割と分子標的治療への応用
Project/Area Number |
22791982
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新谷 智章 広島大学, 病院, 助教 (90403518)
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Keywords | 癌幹細胞 / 分子標的治療 / FGF結合蛋白 |
Research Abstract |
(1)扁平上皮癌細胞におけるFGFBP/HBp17蛋白の発見の検討 当科で樹立した5種類の口腔扁平上皮癌由来細胞株から培養上清と細胞内のFGFBP/HBp17蛋白の発現をウエスタンブロット法にて検討する。得られた結果から、FGFBP/HBp17蛋白発現の高発現細胞株と低発現細胞株を選択し以下の実験に用いる。 (2)放射線照射によるFGFBP/HBp17蛋白の発現量の変化を検討 上記の実験にて選択した2種類の癌細胞3X10^3を60mm培養皿に植え込み,72時間後に放射線照射を行う.0,2,4,6Gyの線量にて照射を行い,1週間後にクリスタルバイオレットにて染色し,50個以上の生細胞が存在するコロニーを数える(Clonogenic assay).4つのタイムポイントでの培養上清と細胞内FGFBP/HBp17発現を定量する.FGFBP/HBp17発現量が癌細胞の放射線感受性に与える影響を検討する.さらに,同じ実験系を用いて,照射前後で培養上清中に分泌されるFGFBP/HBp 17,FGF-2およびFGF-1濃度の経時的変化を検討する.培養上清中に分泌されるFGFBP/HBp17,FGF-2およびFGF-1は微量である為,ウエスタンブロット法にて検出するには,培養上清を濃縮する必要がある.そこで今回申請分の高速冷却遠心機の使用を予定している。 (3)ヌードマウスにおける腫瘍切除前後での血清中のFGFBP/HBp17蛋白の発現量の変化を検討. 1X10^6個の癌細胞をヌードマウス背部皮下に移植.形成された腫瘍の体積が500mm^3になった時,腫瘍切除を行う.腫瘍切除前にヌードマウスの尾静脈より0.1mlの血液を採取しコントロールとする.さらに腫瘍切除1週間後と2週間後にも採血を行い,血清中に含まれるFGFBP/HBp17蛋白の発現量の変化をウエスタンブロット法を用いて検討する.
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