2012 Fiscal Year Annual Research Report
新疾患概念「ミクリッツ病/IgG4関連疾患」の病因解明に向けての分子生物学的検討
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22791990
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミクリッツ病 / IgG4関連疾患 / シェーグレン症候群 / Thサブセット |
Research Abstract |
本研究では、ミクリッツ病(IgG4-DS) 15例、シェーグレン症候群(SS) 18例および健常者18例を対象とした。これらの患者の口唇腺を用いて、免疫組織化学的染色およびreal-time PCRによりTh1、Th2、制御性T細胞(Treg)、Th17、濾胞性T細胞(Tfh)の関連分子(サイトカイン、ケモカイン、ケモカインレセプター、転写因子)の発現を解析した。その結果、SSの口唇腺では、Th1、Th2、Th17、Tfh関連分子のmRNAの発現が亢進しており、Th1とTh17関連分子は胚中心のない部分で、Th2 とTfh関連分子やIL-21は胚中心部で特に強い発現がみられた。また、Treg関連分子の発現は弱く、IgG4陽性細胞の浸潤はほとんどみられなかった。一方、IgG4-DSの口唇腺では、Th2、Treg、Tfh関連分子のmRNAの発現が亢進しており、胚中心の周囲にTreg関連分子の発現とIgG4陽性細胞の浸潤がみられた。また、Tfh関連分子は胚中心部で発現がみられたが、Th2関連分子とIL-21は口唇腺全体に発現がみられた。さらに、IL-4、IL-10、IL-21についてIgG4陽性細胞数とIgG4 mRNA発現との相関をみたところ、いずれもIgG4-DSでのみ正の相関を認めた。特に、IgG4-DS の特徴である胚中心の形成はIL-21と強い相関がみられた。これらの結果より、SSでは、病態初期にはTh1とTh17が、胚中心形成を伴う進展期にはTh2とTfhが重要な役割を果していると考えられた。一方、IgG4-DSでは、Th2、TregならびにTfhが胚中心形成やIgG4産生に重要な役割を果たし、これらのT細胞サブセットが特徴的な病態形成に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)