2011 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺癌における抗癌薬耐性機構の解明と転写因子を利用した克服法の開発
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22791991
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野田 慈美 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員 (90464403)
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Keywords | 唾液腺癌 / YB-1 / 抗癌剤耐性 |
Research Abstract |
本研究代表者はこれまで抗癌剤耐性に関与する因子として知られるYB-1の機能について検討してきた。本研究では、唾液腺癌の抗癌剤耐性におけるYB-1の機能解析を目的とし、唾液腺癌、特に腺様嚢胞癌が他の口腔癌と比較して抗癌剤抵抗性を示す機序を解明する為に、唾液癌細胞内でYB-1と相互作用する蛋白を同定した。 1、唾液腺癌組織及び唾液腺癌培養細胞におけるP-糖蛋白及びYB-1発現の検索 昨年度に引き続き、唾液腺癌組織におけるP-糖蛋白および-YB-1の発現を手術組織を材料とした免疫組織学的染色、Insitu hybridizationによって検索した。数例の組織ではP糖蛋白およびYB-1が核内に高発現しており、細胞質のみの局在する症例もあった。これらの発現および局在(核移行の有無)と予後、転移の有無など臨床的および病理組織学的所見との相関をデーター化しており、来年度も引き続き行う予定である。 2、昨年度のTwo-Hybridスクリーニングにて得られた、腺様嚢胞癌細胞内でYB-1と相互作用する蛋白17個のうち、DNAマイクロアレイハイブリダイゼーションにて抗癌剤耐性細胞内で発現上昇している2種の蛋白について、手術組織内での発現を免疫組織学的染色、In situ hybridizationによって検索した。さらに、抗癌剤存在下で腺様嚢胞癌細胞を培養し、耐性を示す細胞内での発現および局在をウェスタンブロット法、蛍光抗体法で確認した。 3、shRNAを用いた遺伝子ノックダウン法により上記同定因子のノックダウンをおこなう目的でshRNAを作成し、腺様嚢胞癌細胞株に導入した。この蛋白の存在下・非存在下でのYB-1の腺様嚢胞癌細胞株内での発現量、局在をウェスタンブロット法・蛍光抗体法にて検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
shRNAを用いた遺伝子ノックダウン法の実験を行う際に、shRNAベクターをトランスフェクションする際にトランスフェクション効率が低かったり、安定したノックダウン細胞が得られなかったりして、標的部位を変更するなど必要となった為、予定よりややくれる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の予定に従い、本研究を推進する。平成23度トランスフェクションやノックダウン細胞を作製する際に時間がかかり、当初の予定よりやや遅れているので、反省点をふまえながら研究を遂行する。
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