2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生過程におけるCCN3の役割の解析とその臨床応用への基盤構築
Project/Area Number |
22791992
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 篤太郎 九州大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50529807)
|
Keywords | CCN3 / LLLT / 骨のリモデリング |
Research Abstract |
CCN3/NOVはCCNファミリーに属する分泌性因子で、種々の細胞の増殖、分化に関与しているとされている。本申請者は骨芽細胞の分化におけるCCN3の役割を明らかにし、報告した。しかし、破骨細胞の分化におけるCCN3の関与については未だ解明されていないことから、本研究では破骨細胞の分化におけるCCN3の働きを明らかにし、骨のリモデリングにおけるCCN3の役割について総合的な知見を得ることで、望まずして失った顎骨に対する再生を早期に実現する足がかりを築くことを目的とした。本申請者は2010年4月より、九州大学顎顔面外科学講座より長崎大学医歯薬学総合研究科顎口腔再生外科学に移動となった。当初、CCN3KOマウスを使用した研究を行う予定であったが、それらに関しては、諸事情により行うことが困難となったため、難治性潰瘍に対して治癒効果があると示唆されて以来、炎症抑制、疼痛減少など広範な臨床効果が報告されているLLLT (Low Level Laser Therapy)を用いて、マウス大腿骨を利用した骨再生モデルを構築した。現在、この骨再生モデルにより、当初の目的である骨再生過程におけるCCN3の役割について検索している。その結果、CO_2レーザー照射群は、コントロール群であるレーザー非照射群と比較し、μCTによる解析の結果、優位に骨再生が促されていることが判明した。また、両群の骨再生組織をRT-PCRによる解析で検討したところ、CCN3の発現は、CO_2レーザー照射群において、コントロール群であるレーザー非照射群と比較し、優位に上昇していることが判明した。今後、in vivoで、マウス大腿骨を利用した骨再生モデルの免疫組織学的解析を行い、破骨細胞におけるCCN3の発現を検索するとともに、in vitroで、破骨細胞の分化におけるCCN3の働きを明らかにし、骨のリモデリングにおけるCCN3の役割について総合的な知見を得る。
|