2012 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した羊膜を基質とした培養歯根膜由来細胞シートの開発に関する研究
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22792000
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398389)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 臨床 |
Research Abstract |
歯周組織の再生には新生歯根膜が重要とされる。近年、歯根膜組織を採取し培養・増殖し得られた歯根膜由来細胞(PDL細胞)を移植することで、有意に歯周組織が再生するとの報告を散見する。羊膜は抗炎症・感染抑制作用等を有し、様々な細胞の培養基質として適していることがわかっている。これまでの研究結果より、羊膜上にてPDL細胞の培養を行ったところ、歯根膜としての性質を保持し、強固な細胞間接着装置と基底膜を有した1枚の羊膜上培養PDL細胞シートが作成可能であることを明らかにした。 今回、上記にて得られた培養シートのin vivoにおける細胞動態について検討を加えるべく、実験動物への移植を行った。培養細胞の移植方法としては、実験動物の歯周組織欠損モデルへの移植が散見されるが、生着組織の均一化や特定が困難であること、また極めて狭小な部位への細胞移植であり、安定した再現性が得られないことが予測されたため、培養細胞を一箇所に留めることが可能であり免疫寛容が高い腎被膜下への細胞移植を実施した。作成した羊膜上培養PDL細胞シートは、象牙質切片上に羊膜ごと静置し、ヌードマウスの腎被膜下への移植を行った。移植4週後にて培養シートと象牙質切片を摘出、H-E染色ならびに間葉系細胞マーカーのvimentinに対する抗体を用いて免疫染色を行った。結果、PDL細胞は象牙質片上に付着しており、4~5層の紡錘形の歯根膜様細胞が層状に認められ、また象牙質切片周囲にvimentin陽性細胞の局在が認められた。 羊膜上培養PDL細胞は、羊膜を基質とすることで細胞の足場を形成され、象牙質切片面と接着し歯根膜様細胞の新生が見られたものと考えられた。また、間葉系細胞マーカーが確認され、移植後においても、歯根膜としての性質を保持していることが示された。以上より、羊膜上培養PDL細胞シートは、歯周組織を再生する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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