2010 Fiscal Year Annual Research Report
顔面部癌性疼痛における三叉神経脊髄路核の神経-免疫系機構の解明
Project/Area Number |
22792003
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
布巻 昌仁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10341489)
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Keywords | 癌性疼痛 / 三叉神経脊髄路核 / 機械刺激疼痛閾値 / 熱刺激逃避 / グルーミング時間 |
Research Abstract |
(目的)近年、さまざまな難治性神経疾患は、患者の生活の質低下、医療費高騰に大きな影響を及ぼしている。したがって、それら疾患の病態メカニズムの解明とそれに基づく治療法の確立が極めて急務と考えられる。神経因性疼痛や癌性疼痛などの慢性疼痛も例外ではなく未だ有効な治療法が無い。本研究では癌性疼痛の分子機構解明を脊髄の神経-グリア相互作用の時系列的・局所的変化の解明によって、神経栄養因子誘導による治療が予防的および慢性期に応用できるか否かの、基礎的知見を得る。脊髄ニューロン死の機序の解明を脊髄三叉神経核脊髄路核で神経細胞のapoptosis有無やc-fos遺伝子発現やマイクログリアとの関係を明らかにする。また、神経系の症状改善や細胞活性化をもたらし、神経因性疼痛などを改善する神経栄養因子関連治療剤の癌性疼痛への予防・治療への効果の可能性の有無を検討する。(研究内容)GFP(緑色蛍光タンパク質)を発現させたラット由来乳癌細胞を3週齢雄性ラットの右側鼻毛部に接種し、口腔顔面癌モデルを作成した。接種前と接種後3日目に疼痛テスト(von Frey hairによる機械刺激疼痛閾値・放射熱による熱刺激逃避潜時・自発的顔面グルーミング時間)を行った。(結果および考察)疼痛テストにおいてGFP発現癌細胞を投与した癌モデルでは、投与後1日目より機械的刺激疼痛閾値や熱刺激逃避潜時の低下、さらにグルーミング時間の延長がみられ自発痛、allodyniaやhyperalgesiaが引き起こされることがわかった。
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