2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792014
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高岡 清佳 昭和大学, 歯学部, 助教 (00453639)
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Keywords | 口腔癌 / 分子標的治療 / STAT3 |
Research Abstract |
分子標的治療は癌細胞に特異的に作用するため、従来の抗癌剤による化学療法に比べ、より効果的で副作用の少ない治療と考えられ、多施設にてその有効性についての検討が行われている。本研究では、申請者が口腔癌に対して行った分子標的治療薬のスクリーニングにて、有効性を見いだしたSTAT3阻害剤(JSI-124)についてのメカニズム解析を行い、基礎的な根拠を確立し、臨床応用を目指した新たな治療戦略の早期開発を目指す。平成22年度はin vitroにおける阻害剤(JSI-124)の口腔癌細胞へのSTAT3およびアポトーシス関連因子の発現変化の検討を行うとともに浸潤・転移能に対する影響について検討した。その結果、各種ヒト口腔癌細胞にJSI-124で処理後に、経時的な生細胞数の変化をXTTアッセイにて検討した。その結果、正常細胞との細胞障害活性に有意差を認めた。また、アポトーシス関連タンパクの発現解析を行った。口腔癌細胞をJSI-124で処理後、アネキシンV染色によるフローサイトメーターを用いたアポトーシスの解析を行うとともにDNA LadderならびにPARPのWestern blottingによりアポトーシスを確認した。同様に口腔癌細胞をJSI-124で処理し、回収したタンパクを用いてWestern blottingにて解析した。アポトーシス制御因子としては、Bcl-2ファミリータンパク、IAPファミリータンパク及びcaspase-3,8,9の発現変化について解析した。その結果、アポトーシス関連タンパクの発現変化を認め、これらの変化によって細胞障害活性を認めた可能性が示唆された。
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