2010 Fiscal Year Annual Research Report
手術侵襲および術後痛の評価における唾液アミラーゼ活性測定の有用性について
Project/Area Number |
22792020
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣瀬 倫也 日本大学, 医学部, 助手 (80366608)
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Keywords | 疾痛評価 / 唾液アミラーゼ活性 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施の前準備として必要な本学臨床研究審査委員会(倫理委員会)での本研究計画の審査および研究遂行に必要な物品の調達にほとんどの時間を費やした。(本研究は平成22年11月に補助金交付決定となったため) 本年度におこなわれた研究実施症例はわずか数例であり、研究計画における本年度の評価項目である、手術中の唾液α-アミラーゼ活性(sAA)の値と血圧や心拍数との相関関係、手術中のsAA値と手術後2,4,24,48時間におけるVisual Analogue Scale (VAS)の結果および鎮痛薬の使用状況(使用量および使用頻度)との関係については、結果の集計や解析をおこなえる段階ではない。しかしながら、本年度の研究遂行からは、全身麻酔下手術中におけるsAA測定に関して、全身麻酔導入後(手術開始前)のsAAは全身麻酔導入前(有意識状態)に比べて抑制されること、手術中のsAAは全身麻酔下であっても手術操作(手術侵襲)に影響をうけて経時的に変動することが確認された。一方で、手術中のsAAの変動は、研究計画作成時の予測に反して血圧や心拍数の変動と必ずしも同期、一致しない可能性が示された。また、本年度の研究遂行からは少なくとも、手術中ならびに手術後における唾液検体採取やsAAの測定および手術後におけるVAS測定などの実施項目は、申請時の研究計画通りにおこなえることが確認できた。 本研究は22、23年度を通して同一の研究目的に実施計画を遂行するものであり、23年度も引き続き同一研究をおこなう予定である。
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