2010 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経系神経因性疼痛モデル群の発症と治癒のメカニズムの解析
Project/Area Number |
22792024
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
奥村 雅代 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (10362849)
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Keywords | 神経損傷 / モデルラット / 疼痛 / 三叉神経 |
Research Abstract |
神経損傷によって発症するアロディニアのメカニズム解明のため、三叉神経系を用いた神経因性疼痛モデルである「眼窩下神経結紮モデル」「眼窩下神経切断モデル」「下歯槽神経結紮モデル」「下歯槽神経切断モデル」の4種のモデルラットを作成し、それぞれモデルについて口髭部における機械刺激に対する逃避閾値を測定した。「眼窩下神経切断モデル」では閾値の低下はみられず、これは口髭部の支配神経である眼窩下神経そのものが切断されているためであると思われる。しかし「眼窩下神経結紮モデル」では発症時期に個体差はあるものの、ほとんどのラットで閾値の低下がみられた。一方下歯槽神経では逆に「結紮モデル」においては閾値の低下はみられなかったが、「切断モデル」では術後7日までに半数ほどのラットで閾値の低下がみられた。これまでにそれぞれのモデルラットについて術後7日目の三叉神経節及び延髄を摘出しており、「下歯槽神経切断モデル」では三叉神経節の下歯槽神経細胞体を含む領域で各種遺伝子の発現が変動しており、また延髄の下歯槽神経投射領域ではグリア細胞が活性化していることを確認している。他の3つのモデルについても比較のための同様の検討を行っており、さらに各モデルにおいて、同様の処置をしたにもかかわらずアロディニアを発症したラットと発症しなかったラットの比較も現在進めている。これにより神経節及び延髄における変化が、神経損傷の種類、アロディニア発症の有無などに関連があるのかどうか検討する予定としている。
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