2012 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経系神経因性疼痛モデル群の発症と治癒のメカニズムの解析
Project/Area Number |
22792024
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
奥村 雅代 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (10362849)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経因性疼痛 / マイクログリア / 三叉神経 / 延髄 |
Research Abstract |
神経損傷によって発症するアロディニアのメカニズム解明のため、三叉神経系を用いた神経因性疼痛モデルである「眼窩下神経結紮モデル」「眼窩下神経切断モデル」「下歯槽神経結紮モデル」「下歯槽神経切断モデル」の4種のモデルラットを作成し、それぞれモデルについて口髭部における機械刺激に対する逃避閾値を測定したところ、「眼窩下神経結紮モデル」のほとんどのラット、「下歯槽神経切断モデル」の半数ほどのラットにおいて閾値の低下、すなわちアロディニアの発症が見られたが、同様の施術を行っているにもかかわらず残り半数のラットでは発症は見られなかった。 これらのラットの延髄を摘出して免疫染色を行い、延髄後角におけるマイクログリアの活性化状態を観察したところ、下歯槽神経の損傷では延髄後角の再背側に、眼窩下神経の損傷では延髄後角の外側の広範囲に活性化マイクログリアが見られた。これをアロディニアを発症したラットと発症しなかったラットで比較すると、予想に反してこれらの間に差は見られなかった。さらに連続切片として観察して吻尾側方向の広がりも同様に比較したが、これについても差は見られなかった。この結果は、三叉神経系における神経損傷アロディニアモデルが、現在広く支持されている「マイクログリア仮説」のみでは説明できない現象であることを示している。 また、アロディニアを発症したラットと発症しなかったラットの感覚異常のテストのため、口髭部にカプサイシン、ヒスタミン、クロロキンといった刺激物質の投与を行い、そのごの行動を観察したところ、アロディニアを発症したラットでは痒み刺激に対する感受性も亢進していることを示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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