2012 Fiscal Year Annual Research Report
不正咬合が誘発する情動変化とストレス関連物質ー海馬機能と脳腸相関からー
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22792031
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 由紀 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50360920)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 不正咬合 / fMRI |
Research Abstract |
歯科矯正治療の意義は個性正常咬合を確立し、良好な機能咬合を構築することにある。しかしながら、咬合不全状態に伴う高次脳、および全身への影響については検索されておらず、評価方法すら確立していない状況である。そこで、本研究では、不正咬合と脳賦活状況との関連、情動及び社会行動との関連を脳と全身から検討した。 今年度は5か月間のみの期間であったため、可能な限り成人ボランティアのデータ採得を行った。上顎にスプリント様装置を作成し、下顎の機能的側方偏位を誘導、保持し印記。その後、1.5T水平型MRI装置を用いて下顎安静位30秒間、側方偏位した顎位置でのクレンチングを30秒間4サイクル行い、その間、Happy,Neutral,Angry の各表情を表す画像を視覚刺激として提示し、脳賦活状況の違いを検索した。また、スプリント装置装着の前後においてPOMS心理的評価を行った。解析はデーターが増えてから行う予定で、今年度は概ね順調に採得を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ボランティア1人当たり前準備を含めたデータ採得にかなりの時間が費やされるため、機器の故障で延期した期間があったものの、今年度限られた時間内で概ね順調に進んだと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、fMRIによる脳賦活状況を計測するサンプル数を増やすのと同時に、下顎の側方偏位をとることにより、さらに、不正咬合や下顎側方偏位が心理面に与える影響を検討する。また、集団解析により下顎位の偏位に伴う高次脳への影響を詳細に検討し、それにより不正咬合による咀嚼機能の不全が中枢神経系へ与える影響を明らかになることが期待できる。
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