2011 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経終末メカノレセプターの機能再生を指標とする矯正治療開始最適時期の決定
Project/Area Number |
22792042
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石田 宝義 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (90549966)
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Keywords | 顎関節機械受容器 / 三叉神経節 / 電気生理学 / ラット / 液状飼料 / 液状飼料 |
Research Abstract |
咀嚼運動は後天的に獲得されるが、その前段階として咀嚼神経系システム(三叉神経終末)の機能成熟が必要である。また咀嚼機能獲得後、生涯を通して咀嚼神経系システムを介した咀嚼運動に付随するメカニカルストレスが顎口腔器官の機能形態維持に必要不可欠である。発育期に顎関節へのメカニカルストレスが低下すると三叉神経終末の一つである顎関節メカノレセプターの機能は低下することが報告された。本研究では成長期に一度機能変性した顎関節メカノレセプターに対し再び適切なメカニカルストレス負荷を再開した場合機能回復するのか、また再開時期により回復量の違いはあるのかを明らかにし、機能回復の臨界期を求める。その結果最適な治療開始時期を明確にする。離乳直後のWistar系雄性ラットを、固形飼料飼育群と液状飼料飼育群の2群に分け、さらに液状飼料飼育群を、5週齢から固形飼料に変える回復群、固形飼料に変えない群に分けた。それぞれの群で3、5、7、9、11、13週齢において麻酔下でラットを腹臥位にて固定し、受動的下顎開閉口運動(最大開口量5.0mmのramp-and-holdの顎運動)による間接的な刺激を与えた際の顎関節メカノレセプターの単一ユニット活動を記録した。記録部位は顎関節メカノレセプターの三叉神経感覚ニューロン細胞体が存在する三叉神経節とした。顎関節メカノレセプター由来の単一求心性神経活動における最初のスパイクが生じた時点の開口量を発火閾値として、また発火頻度の最大値を最大発火頻度として算出し、実験群と対照群を比較した。その結果昨年は早期に負荷を再開した場合の記録分析が完了し、一度機能変性した神経はメカニカルストレス負荷を早期に再開した場合遅くても9週齢において機能回復することが認められた。今年度は成長期後期に負荷を再開したが回復には至らなかった。これらをもとに学会発表を行った。さらに長期的観察ののちには回復する可能性もあり引き続き実験継続中である。
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Research Products
(5 results)