2010 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症における軟骨破壊の分子生物学的解析:HIF-1活性化の機序の解明
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22792053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白倉 麻耶 広島大学, 病院, 歯科診療医 (70549013)
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Keywords | 変形性顎関節症 / HIF-1α / 低酸素 / 炎症性サイトカイン / 機械刺激 |
Research Abstract |
本研究では、変形性顎関節症の発症、進行におけるHIF-1αの関与とその詳細な機序を明らかにし、そのメカニズムを検討することにより変形性顎関節症の発症機序の一部を解明し、臨床応用に結びつけることを最終的な目的とする。具体的には、これまでに報告されている炎症性サイトカイン、機械刺激、および低酸素刺激のいずれが変形性顎関節症におけるHIF-1αの発現に関与しているかを、その機序とともに明らかにすることを目標とした。そこで、本年度は始めに機械刺激によるストレスの変形性顎関節症の発症・進行への影響を検討するため、骨芽細胞様細胞Saos-2を用いてHIF-1α遺伝子発現を検討した。始めにSaos-2に対し様々な荷重負荷を与え、ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いてHIF-1α遺伝子発現傾向を検討した。その結果、軽度の負荷を与えることでHIF-1α活性化の傾向が認められた。また、軽度の負荷を与えながら1%、5%、10%、15%、常酸素分圧下で細胞を培養し、それぞれの条件下でHIF-1α活性化を検討したところ、負荷を与えない場合では1%酸素分圧下でのみHIF-1α活性化が認められたのに対し、負荷を与えたものではコントロールと比較しいずれの分圧下でも有意にHIF-1α活性が上昇する傾向が認められた。その結果、骨芽細胞様細胞におけるHIF-1αの活性が機械刺激と関連している可能性が示唆された。今後は、さらにウェスタンブロッティング並びにリアルタイムPT-PCRをもちいて遺伝子並びにタンパクの発現を検討し、機械刺激と酸素分圧の関連性を検討する予定である。さらに、培養軟骨前駆細胞を用いてHIF-1α活性化を比較することにより変形性顎関節症の発症機序に関するHIF-1α遺伝子発現の関与を詳細に検討することとする。
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Research Products
(3 results)