2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792062
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳冨 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員研究員 (80433077)
|
Keywords | 小児歯科学 / 口唇口蓋裂 / 乳幼児 / 哺乳機能 / 形態 |
Research Abstract |
現在の口唇口蓋裂治療では、Hotz型哺乳床(以下Hotz床)や,術前外鼻形態矯正を目的としたPresurgical nasoalveolar molding治療が取り入れられている。これら治療により,哺乳時間の短縮,哺乳量・体重の増加,顎裂部への舌陥入の防止による上顎歯槽基底の形態改善が認められる。しかし、このような効果のほかに,申請者は未だ評価されていない「舌運動の改善による哺乳運動の円滑性の向上」や「哺乳が楽に行えることによる患児のストレス改善効果」等があるのではないかと感じている。しかし,舌運動の円滑性に関する評価や母子関係の推進効果を,客観的に研究し報告したものは見られない。 以上より,口唇口蓋裂児において,(1)Hotz床使用による哺乳運動の円滑性向上,(2)哺乳機能改善に伴う,患児へ脳波への影響の2点を解明することを本研究の目的とした。 本年(2年目)は、口唇口蓋裂乳児が多く通院、入院する医療機関に異動したため、異動先の研究者のもとで乳幼児エコーを用いた哺乳運動計測方法の開発について検討した。この結果、口唇口蓋裂児の哺乳時の舌運動は、Hotz型哺乳床を用いることにより、健常児と同様の運動の前後運動を行えている様子が観察された。異動先には哺乳や口唇口蓋裂乳児の専門家が多く、諸先輩方のもとで学ぶことは多く、日々驚くばかりであった。 次年度もこれらの計測方法の開発、ならびに初年度からの口蓋形態の計測を継続して行い、学会発表等を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他業務が多忙となり、研究に割く時間が以前より減少してしまい、やや遅れている。今後は、関連研究を行っている研究者の協力を得ながら進行させる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに得たデータをもとに、形態計測は当初予定通り行う。一方で、機能計測については、舌圧を主体とした計測に変更する予定である。舌圧計測は、比較的簡便に行えるため、今年度も計測および解析が可能である。 また、身近な研究者が乳幼児エコーを用いた研究が行っており、この研究者の協力を得て、現存機器を活用した研究方法について検討している。この場合も、口唇口蓋裂乳児の哺乳機能の検証は可能であり、また、十分に新しい研究報告として完結できると考えている。
|
Research Products
(2 results)