2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792063
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
森川 和政 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70514686)
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Keywords | 歯学 / 骨吸収 / 破骨細胞 / 細胞接着 / 萌出 / 歯槽骨 / イノシトール1,4,5-三リン酸受容体 / Adenophostin A |
Research Abstract |
本研究では、歯の萌出経路形成において重要な働きを持つ破骨細胞でのIP_3Rの役割を免疫組織学、生化学的に解明し、歯槽骨の骨吸収による歯の萌出に関わるメカニズムを明らかにすることを目的としている。平成23年度研究計画は、ラット破骨細胞を用いて、私が以前の研究で示した免疫蛍光染色法以外の方法により、IP_3R-III型が破骨細胞の形質膜に発現することをタンパク、遺伝子レベルで解析し、細胞接着部位であるポドゾームとの関連をさらに解明する予定とした。 <実験1>膜不透過性ビオチン化試薬を用いた形質膜タンパクの分離による解析 ラット骨髄細胞より破骨細胞を形成し、膜不透過性ビオチン化試薬であるSulfo-NHS-Biotinylation Kit(PIERCE)を用いて選択的に外側表面をビオチン化して形質膜タンパクを分離し、IP_3R-III型に特異的な抗体を用いて免疫沈降を行い、ウェスタンブロッティング法によって分析・解析を進めている。 <実験2>破骨細胞の細胞骨格画分による解析 ラット骨髄細胞から破骨細胞を形成し、細胞質と細胞骨格に画分して、IP_3R-III型に特異的な抗体を用いて免疫沈降を行い、ウェスタンブロッティング法によって分析・解析を進めている。 萌出不全に伴う埋伏歯、萌出性腐骨といった萌出障害は小児歯科臨床において重要な課題であるが、その原因の一つである歯槽骨の骨吸収メカニズムは十分に解明されていない。本研究の結果により、IP_3R-III型と破骨細胞の細胞接着との関わりが局在の面からだけでなく、機能の面からも明らかとなり、骨吸収メカニズムの解明が大きく発展するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
<実験1>膜不透過性ビオチン化試薬を用いた形質膜タンパクの分離による解析および<実験2>破骨細胞の細胞骨格画分による解析において、IP_3R-III型に特異的な抗体を用いて免疫沈降を行い、ウェスタンブロッティング法によって分析・解析を進めているが、時間的な問題、テクニカル的な問題により解析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度に引き続きラット破骨細胞を用いて、私が以前の研究で示した免疫蛍光染色法以外の方法により、IP_3R-III型が破骨細胞の形質膜に発現することをタンパク、遺伝子レベルで解析し、細胞接着部位であるポドゾームとの関連をさらに解明すると共に、新生児ラットを用いて歯の萌出時の歯槽骨での破骨細胞におけるIP_3Rの発現および接着複合体を構成するSrcやCas、Pyk2とIP_3R-III型との局在を解析する予定としている。
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