2010 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる下顎頭の発育制御にストレス応答タンパク質が果たす役割
Project/Area Number |
22792064
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
藤田 優子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90514670)
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Keywords | 軟骨細胞 / 軟骨内骨化 / ヘムオキシゲナーゼ1 / マウス |
Research Abstract |
軟骨細胞におけるHO-1の発現分布や局在については明らかにされていない。そこで本年度はこれらの詳細な情報を得るために、幼若期、成熟期に分けてマウス脛骨骨幹端部の抗HO-1抗体による免疫組織染色を行い、その局在の観察を行った。実験動物には生後1、7、14、21、49日齢の雄性C57BL/6Jマウスを用いた。各日齢のマウスに4%パラホルムアルデヒドで灌流固定を行い、膝関節を摘出、4℃下で24時間浸漬固定を行い、10%EDTAで脱灰した。試料は通法に従い包埋、凍結後、矢状方向に厚さ5μmの連続切片を作製した。さらにHO-1、2型および10型コラーゲン、MMP-13の局在を免疫組織染色で検索した。一般染色にはヘマトキシリン・エオジン染色を施した。その結果、生後1日目の骨幹端部は、概ね静止軟骨細胞で構成されているが、軟骨膜直下の増殖軟骨細胞内でHO-1とCol 10の発現がみられた。生後7日目になると軟骨管が形成され、その周囲の肥大軟骨細胞内にHO-1とCol 10の発現がみられた。生後14日目には骨化中心に海綿骨が形成された。成長板の肥大軟骨細胞では、生後1日から21日目までHO-1とCol 10の発現がみられたが、生後49日目にはこれらの発現はほぼ消失した。MMP-13の発現は成長板の肥大軟骨細胞にみられたが、21日目に反応が減衰し、49日目に消失した。Col 2の発現は、生後21日目までは肥大軟骨細胞内に、49日目には、成長板の軟骨基質に強い免疫陽性反応を認めた。 以上の結果よりHO-1は成長期の軟骨細胞に特異的に存在するものであり、軟骨内骨化の特に肥大化の過程において必須の因子であることが示唆された。
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