2011 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる下顎頭の発育制御にストレス応答タンパク質が果たす役割
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22792064
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
藤田 優子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90514670)
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Keywords | 下顎頭 / 軟骨細胞 / HO-1 / マウス |
Research Abstract |
軟骨細胞におけるHO-1の発現分布や局在については明らかにされていない。前年度は幼若期、成熟期に分けてマウス脛骨骨幹端部の抗HO-1抗体による免疫組織染色を行い、その局在の観察を行ったが、本年度はさらにマウス下顎頭におけるHO-1の局在について検討を行った。実験動物には生後1、7、14、21日齢の雄性C57BL/6Jマウスを用いた。各日齢のマウスに4%パラホルムアルデヒドで灌流固定を行い、下顎頭を摘出、4℃下で24時間浸漬固定を行い、10%EDTAで脱灰した。試料は通法に従い包埋、凍結後、矢状方向に厚さ5μmの連続切片を作製した。さらにHO-1、2型および10型コラーゲン、MMP-13の局在を免疫組織染色で検索した。一般染色にはヘマトキシリン・エオジン染色およびトルイジンブルー染色を施した。その結果、生後1日目はすべての層にHO-1がみられ、生後7と14日目には肥大軟骨細胞と成熟軟骨細胞に、生後21日目は肥大軟骨細と成熟軟骨細胞にわずかにみられた。Col10の発現は、生後1日目と7日目はすべての軟骨細胞に認められた。生後14日目以降は肥大軟骨細胞に陽性反応を示した。MMP-13の発現は、生後1日目には増殖軟骨細胞、成熟軟骨細胞、肥大軟骨細胞に広範囲に認められた。生後7日目には肥大軟骨細胞に強い陽性反応を認め、それ以降は、深層部の肥大軟骨細胞にわずかに発現した。Col2の発現は、生後1日目と7日目には増殖軟骨細胞、成熟軟骨細胞、肥大軟骨細胞に広範囲に認められた。生後14日目以降は肥大軟骨細胞内に認められた。下顎頭軟骨におけるHO-1の発現は、出生直後はすべての軟骨細胞に分布するが、成長・発育期になると主に肥大軟骨細胞に局在することが明らかとなり、長管骨の成長板軟骨におけるHO-1の局在とほぼ同様の結果が得られた。以上よりHO-1は、成長期の下顎頭軟骨において細胞の肥大化と細胞外基質の合成の誘導に関与する因子である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初の計画では免疫染色のみを行ってHO-1タンパクの発現の確認を行う予定であったが、マウスの日齢によってその局在箇所が変動することが明らかとなった。そこでHO-1タンパクの役割を知るうえでmRNAレベルでの確認を行うほうがより詳細な結果が得られるため、新たにin situ hybridizationを追加した。したがって、当初の計画よりもやや遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)In situ hybridizationによってmRNAレベルでの確認を行う。 (2)成長期のマウスに硬食または軟食を与え、In situ hybridizationによってHO-1遺伝子発現の解析を行う。骨の石灰化度や骨量、骨梁幅などの測定を行う。アリザリンレッド染色、サフラニンO染色、アルシアンブルー染色を行い、軟骨の石灰化、基質形成などを観察する。 (3)マウス軟骨細胞(ATDC5)にHO-1遺伝子を導入し、HO-1高発現株の樹立を行う。
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