2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘッジホッグ伝達変異に関連する頭蓋底軟骨結合形成不全の分子機構の解明
Project/Area Number |
22792074
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
落合 隆永 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (20410417)
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Keywords | 軟骨 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 分子機構 |
Research Abstract |
一次繊毛の欠損により頭蓋底軟骨結合での形態異常が惹起されることを、一次繊毛構成蛋白であるポラリス欠損マウスを解析し報告している。本研究は、一次繊毛の欠損と軟骨の発生や分化に重要な働きを持つインディアンヘッジホッグ(以下Ihh)のシグナル伝達と組織内分布異常について分子生物学的に検討する。本年度は、細胞培養系を用いて一次繊毛の構成蛋白であるポラリスをsiRNAによるノックダウン実験を行い、軟骨細胞での一次繊毛を介するIhh伝達異常の解明を分子生物学的に検討した。1.ポラリスをノックダウンさせた細胞においてIhhの発現の減少とIhhの受容体であるPatchedの発現が抑制された。さらにsiRNAの濃度依存的にIhhの発現は減少を認め、Patchedの発現も同様に減少した。2.軟骨の細胞外基質であるヘパラン硫酸プロテオグリカンの1種であるSyndecan3の発現が抑制されることも明らかとなった。Ihhの発現減少に伴いSyndecan3の発現が抑制されることから、Ihhは軟骨細胞の細胞外基質の制御も行う可能性が示唆された。次年度は、さらに詳細なシグナル機構の解析を行う予手である。
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