2011 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴシン-1-リン酸を用いた新規歯槽骨再生薬の開発に関する研究
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22792091
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 英津子 九州大学, 大学病院, 助教 (20432924)
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Keywords | 骨芽細胞 / スフィンゴシン-1-リン酸 / 骨 / 再生医学 |
Research Abstract |
骨芽細胞と破骨細胞のカップリングに重要な役割を果たすことが明らかとなりつつある、スフィンゴシン-1-リン酸(SIP)を用いた歯槽骨再生薬の開発とに前進することが本研究の目的である。平成23年度の計画は、骨芽細胞分化マーカーや骨芽細胞と破骨細胞のカップリングに重要なオステオプロ-テジェリン(OPG)、Receptor activator of NFkappa B ligand(RANKL)の発現に対して、SIPシグナル伝達経路(PI3K/Akt経路)がどのような影響を及ぼすかについて、SIPシグナル伝達経路を抑制して検討すること、およびSIPが作用する転写因子について検討することであった。前年度に行った実験結果より、SIPはGSK-3βの活性を阻害し、Wnt/β-カテニンシグナル伝達経路を活性化する可能性が示唆された。よって、SIPシグナル伝達経路とWnt/β-カテニンシグナル伝達経路の関わりについてさらに検討を重ねた。蛍光免疫染色により、SIPはβ-カテニンの核内移行を、Wnta同様に、促進することが明らかとなった。また、PI3K阻害剤LY294002を用いたところ、β-カテニンの核内移行は抑制された。以上め結果から、SIPシグナル伝達経路はWnt/β-カテニンシグナル伝達経路を活性化することが示唆された。また、前年度の実験結果より、SIPはOPGのmRNA発現を増加させたが、今回ELISA法により、OPGタンパク質発現もSIP添加により増加することがわかった。OPGはWnt/β-カテニンシグナル伝達経路の標的遺伝子でもあるため、SIPは、SIPシグナル伝運経路(PI3K/Akt経路)-を介してWnt/β-カテニンシグナル伝達経路を活性化することにより、OPG遺伝子発現を増加している可能性が示唆された。RANKLも同様にWnt/β-カテニンシグナル伝達程路の標的遺伝子であり、RANKL発現へのSIPの影響を現在検討している。また、SIPがOPG遺伝子プロモーターに及ぼす影響について、OPGレポータープラスミド(-1309/+205bp)を作製し検討したところ、レポーター遺伝子の活性はSIPにより増加した。SIPが作用する転写因子については現在検討中である。
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Research Products
(1 results)