2010 Fiscal Year Annual Research Report
梅抽出液MK615の抗炎症作用、骨破壊抑制作用の解析:新たな歯周病予防への可能性
Project/Area Number |
22792094
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森元 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学附属病院, 助教 (30437967)
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Keywords | 歯周病 / サイトカイン / MK615 / 歯周病原菌 / LPS / MAPKs |
Research Abstract |
歯周病は歯周病原細菌の口腔内感染によって惹起される慢性炎症性疾患で、最終的には歯槽骨やセメント質などの歯周組織の破壊を来たす。そのため、炎症の原因除去と同時に、炎症性骨吸収を阻害することが歯周病の確実な予防・治療に繋がると考えられる。 今回、梅肉抽出エキスMK615の抗炎症作用に着目し、歯周病原細菌の菌体やLPS刺激下でのMK615による炎症性サイトカイン産生抑制効果、骨破壊抑制効果を解析することにより歯周病予防・治療への新しいアプローチとして発展させることを目的とする。 本年度得られた結果を下に示す。 1.歯肉線維芽細胞やマクロファージ様細胞(RAW264.7 cells)を歯周病原菌(P.gingisや A.actinomycetemcomitans)のLPSで刺激した際のTNF-αやIL-6,8などのサイトカイン産生はMK615の濃度依存的に抑制された。 2.RAW264.7cellsにおいて、MK615によりp.gingivalis LPS(100ng/ml)刺激によるMAPKs(ERK1/2,p38MAPK,JNK)のリン酸化が有意に抑制された。 3.RAW264.7cellsにおいて、MK615によりp.gingivalisLPS刺激によるIκBのdegradationは有意に抑制され、NF-κB p65のリン酸化も有意に抑制された。 今回の結果よりMK615はRAW264.7cellsを歯周病原菌のLPSで刺激した際のサイトカイン産生を抑制し、それはMAPKs/NF-κB経路の阻害によるものであることが示された。今後は骨組織での検討を行っていく予定である。
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