2011 Fiscal Year Annual Research Report
梅抽出液MK615の抗炎症作用、骨破壊抑制作用の解析:新たな歯周病予防への可能性
Project/Area Number |
22792094
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森元 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437967)
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Keywords | 歯周病 / MK615 / 破骨前駆細胞 / 骨破壊抑制 |
Research Abstract |
歯周病は歯周病原細菌の口腔内感染によって惹起される慢性炎症性疾患で、最終的には歯槽骨やセメント質などの歯周組織の破壊を来たす。そのため、炎症の原因除去と同時に、炎症性骨吸収を阻害することが歯周病の確実な予防・治療に繋がると考えられる。 今回、梅肉抽出エキスMK615の抗炎症作用に着目し、歯周病原細菌の菌体やLPS刺激下でのMK615による炎症性サイトカイン産生抑制効果、骨破壊抑制効果を解析することにより歯周病予防・治療への新しいアプローチとして発展させることを目的とする。 本年度得られた結果を下に示す。 1.破骨細胞形成阻害作用:MK615が破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制するかTRAP染色で解析したところ、Positive controlと比較してMK615を添加したものは0.1μl/mlの低濃度でも破骨細胞の大きさや核の数に変化が認められ、濃度依存的に有意に破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化が抑制された。10μl/mlの濃度では破骨細胞への分化は認められなかった。 2.骨吸収阻害作用:MK615添加によって破骨細胞の骨吸収作用が阻害されるかどうかピットアッセイにて解析したところ、Positive controlと比較してMK615を添加したものは0.5μl/mlの濃度から濃度依存的に破骨細胞によって吸収された面積が小さくなっていた。10μl/mlの濃度では吸収は認められなかった。 今回の結果よりMK615添加によって破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制し、骨破壊も抑制できることからMK615は炎症生骨吸収を阻害することにより歯周病予防・治療に関与できる可能性が示唆された。
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