2011 Fiscal Year Annual Research Report
SVCTによるアスコルビン酸輸送を介した歯周病態制御機構の解明と新規治療戦略
Project/Area Number |
22792099
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (40401351)
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Keywords | 歯周組織 / 再生 |
Research Abstract |
歯周組織再生過程で重要な役割を有していると考えられる歯根膜細胞においてアスコルビン酸代謝を司るトランスポーターであるSVCT1,SVCT2の役割をin vitroで検討した。まず、歯根膜において組織修復に重要である歯根膜幹細胞の培養を確立した。抜去歯より歯根膜組織を採取し、コラゲナーゼ/ディスパーゼにより組織を消化し、これを洗浄、ストレーナーにて細胞塊を除去しコロニーを形成しながら増殖する細胞を得た。これらの細胞についてFACS解析を行ったところ間葉系幹細胞のマーカーであるCD146,CD90,CD44,CD1O5,CD73陽性であり、血管内皮細胞マーカーCD31陰性、白血球マーカーCD45陽性であった。さらにこれらの細胞を骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞へそれぞれ特異的な培養条件で分化誘導したところ、全ての細胞への分化が認められ得られた細胞が多分化能を示す幹細胞であることが明らかとなった。また、FACS解析ではpericyteのマーカーであるNG2,CD140b陽性細胞が多く認められ、さらにマトリゲル上で血管内皮細胞と共培養すると血管内皮細胞の形成するtube like構造に寄り添うように接着し、歯根膜細胞のpericyte様性質の可能性が示唆された。RT-PCR法によってSVCT1,SVCT2の遺伝子発現を検討したところ、歯根膜幹細胞は両者を発現する結果が得られた。また、マウス歯周組織切片上でSVCT1,SVCT2の免疫染色を行ったところ、いずれも歯根膜に広く発現が見られる事が明らかとなった。さらに、動物実験を用いてSVCT1,SVCT2のin vitroでの再生における役割を検討する必要性からラットおいて実験的な歯周組織欠損モデルの確立を行った。免疫不全ラットの下顎臼歯頬側の歯周組織をラウンドバーで削除し歯周組織欠損を作製した。同部位へ歯根膜幹細胞を移植し4週間後に組織片を回収しCTと組織切片上で再生歯周組織を観察した。その結果、ラットにおいて歯根膜幹細胞移植による歯周組織再生が確認され、細胞移植による歯周組織再生モデルが確立した。再生歯周組織におけるSVCT1,SVCT2の発現についての検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)