2011 Fiscal Year Annual Research Report
宿主‐細菌インターフェイスにおける歯周炎発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
22792104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
真柳 弦 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10451600)
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Keywords | 細菌学 / 免疫学 / 遺伝学 / 歯周病学 |
Research Abstract |
歯周病の病態は、口腔内の宿主-細菌インターフェイスにおける細菌叢と病巣局所に誘導される免疫応答の質・大きさの相互作用により決定される。さらに患者個人の遺伝的素因が影響を及ぼすとも考えられている。本研究では、歯周治療を開始する患者の臨床試料(歯肉、歯肉縁下プラーク、末梢血)を採取・分析し、免疫学的、細菌学的、遺伝学的因子を全て考慮することで、複眼的視点から歯周病の発症・進展メカニズムの解明を目指し、歯科臨床に直結・貢献する診断法や治療法へと応用することを目的とする。 今年度は、採取した臨床試料のうち、主に歯肉について分析を行った。すなわち、歯肉試料より抽出したmRNAをRT-PCRした後、real time PCRにより、IL-1α,IL-1β,TNF-αなどの炎症性サイトカイン、IL-10などの抗炎症性サイトカイン及びIL-4,IL-12,IFN-γなどの調節性サイトカインのmRNA発現を定量的に検出し、歯周病巣歯肉中のサイトカインプロファイルの定量解析を行った。その結果、炎症性サイトカイン(IL-1α,IL1β)の検出率が高く、調節性サイトカイン(IL-4,IFN-γ)の検出率が低い傾向が見られた。 今後は、(1)各種サイトカイン量と臨床病態の主な指標の1つである歯周ポケット深さとの関連性の検討、(2)歯肉縁下プラークを分析し、歯周病関連性細菌種の定量的検出と歯周病原性の検討、(3)歯周ポケット深さなどの臨床パラメーターと免疫学的、細菌学的パラメーターとの関連性をクラスター分析あるいは多変量解析を用いて、多面的に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
末梢血試料の採取に関して、患者から同意を得られないことが多く、サンプルが十分に集まらなかった。その結果、当初、分析予定であった因子の1つである遺伝学的因子についての分析が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢血試料の採取に関して、サンプル数が十分に確保できない場合は、遺伝学的因子の分析を行わないこともあり得る。その場合は、歯周ポケット深さなどの臨床パラメーターと免疫学的、細菌学的パラメーターとの関連性の多面的検討までを行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] バイオマテリアルーパラサイト・インターフェイスへの挑戦-バイオマテリアルの生物学的劣化の理解へ-2012
Author(s)
高橋信博, 真柳弦, 中條和子, 鷲尾純平, 佐藤拓一, 竹内裕尚, 佐久間陽子, 松尾洋, 末永華子, 鈴木治, 佐々木啓一
Organizer
九州大学応用力学研究所平成23年度共同利用研究集会「力学適応能、自己組織化能を有するバイオマテリアル-生体インターフェイスの創製」
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2012-03-02
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