2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルム形成における歯周病細菌表層タンパクの高次構造解析
Project/Area Number |
22792114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 和彦 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00346165)
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Keywords | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 口腔レンサ球菌 / プロテオーム / バイオフィルム |
Research Abstract |
Porphyromanas gingivalisにおける口腔レンサ球菌の表層タンパク質GAPDHの役割を発展させるため、まず、GAPDHのリコンビナントタンパク質を精製して、P.gingivalisにあらかじめ結合させることにより、二次元電気泳動や質量分析を用いて、長線毛以外の新たな結合タンパク質を同定した。同定したタンパク質はRagA4、RgpB、AbfD、Kgp、GapA、GDH、MDHであった。さらに結合解析で同定したタンパク質に関するリコンビナントタンパク質を作製した。蛍光顕微鏡と濁度測定を用いて、リコンビナントタンパク質を添加後にRagA4とAbfD、GDHは濃度依存的にバイオフィルム形成を促進し、GapAとMDHは濃度依存的に阻害した。このことは、RagA4とAbfD、GDH、GapA、MDHがバイオフィルム形成に関与していることを示唆した。リコンビナントGAPDHを添加し、リアルタイムPCRを用いて、バイオフィルム形成における上記の各遺伝子発現を調べたところ、RagA4とAbfD、GDH、GapA、MDHにおいて有意に違いが認められた。またバイオフィルム形成を促進する原因としてクオラムセンシングに関与するluxS遺伝子の発現をRagA4とAbfD、GDH添加後にリアルタイムPCRで調べたところ、有意に増加した。このことから、口腔レンサ球菌とのバイオフィルムを形成することにおいてP.gingivalisの表層の5つのタンパク質が巧みに相互に調節するクライアントタンパク質になっていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)