2011 Fiscal Year Annual Research Report
急性期歯周病患者,全身疾患有病者に対する歯周治療が酸化ストレスに及ぼす影響
Project/Area Number |
22792119
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉木 直文 岡山大学, 大学病院, 講師 (20335615)
|
Keywords | 歯周病 / 酸化ストレス / 抗酸化力 / 肝細胞がん |
Research Abstract |
歯周炎は,様々な全身疾患や炎症性疾患と関連することが分かっている。さらに歯周炎が進行すると,活性酸素種が過剰に産生されて酸化ストレスを悪化させる。また,慢性肝疾患(肝細胞がん等)により解毒作用,タンパク質合成やホルモン状態の異常が引き起こされる。今回の研究の目的は,肝細胞がん患者(HCC)における歯周病と酸化ストレスの状態を検討することである。 岡山大学病消化器内科に入院している肝細胞がん患者64名を対象とし,歯周病状態を検査した。肝細胞がん患者におけるステージ分類には,腫瘍のステージ(TNM分類)と肝機能を合わせて反映しているJapan Integrated Staging (JIS)システムを用いて評価した。血漿中の活性酸素種濃度は,reactive oxygen metabolites (ROM)を用いて測定した。 肝細胞がん患者のうち,慢性歯周炎患者(HCC+P)は31名,歯周病状態の良好な患者(HCC+H)は33名だった。両群間において,性別,年齢,BMI,飲酒や喫煙歴,糖尿病や高血圧患者の割合に有意な差は認められなかった。HCC+P群において,HCC+H群よりも高いJISスコアが認められた(p=0.027)。ROM値において,HCC+P群の方が約26%高い値だった(p<0.001)。 進行したHCC患者において,初期のHCC患者に比べて歯周炎に罹患している割合が高く,酸化ストレスの値も高かった。
|
Research Products
(5 results)