2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792120
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
友藤 孝明 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (80335629)
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Keywords | 歯周病予防 / 水素水 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究の目的は、水素水摂取による歯周病の予防効果を組織学的・生化学的に検証することである。平成22年度では、実験的に炎症を惹起させたラット歯周組織の変化を、水素水摂取の有無で比較検討した。また、尾静脈から血液を経時的に採取し、Reactive Oxidative Metabolites(ROM;酸化ストレス度)の変化を分析した。 実験期間は8週間とし、歯周炎は下顎臼歯に絹糸を巻いて惹起させた。その結果、実験開始後8週目の歯周組織において、付着上皮直下結合組織における炎症性細胞浸潤とセメント・エナメル境から歯槽骨頂までの距離(歯槽骨吸収の程度)の増加が観察された。また同時に、経時的な血清ROMレベルの上昇も認められた。 一方、歯周炎を惹起させながら水素水を与えた群では、実験開始後8週目の歯周組織において、付着上皮直下結合組織における炎症性細胞浸潤の低下とセメント・エナメル境から歯槽骨頂までの距離(歯槽骨吸収の程度)の減少がみられた。さらに、実験的歯周炎に伴う経時的な血清ROMレベルの上昇も抑えられていた。 近年の研究から、歯周病の進行に酸化ストレスが関与していることが分かってきている。また、分子状水素には酸化ストレスの原因となる活性酸素種を除去する能力があることが知られており、水素水の摂取は、全身の組織に分子状水素を供給させるのに効果的な方法の一つである。本研究の結果は、水素水の摂取が、炎症に伴う酸化ストレスを緩和し、結果として歯周炎を予防するのに効果的であることを示唆している。
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Research Products
(5 results)