2011 Fiscal Year Annual Research Report
経皮的電気刺激による歯科治療時のリラクセーションの臨床応用への新アプローチ
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22792128
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中 暁子 (青柳 暁子) 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (10468770)
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Keywords | 歯科ストレス / リラクセーション / 心臓自律神経活動 |
Research Abstract |
本年度は健康成人14名(男性7名、女性7名、平均年齢27.0歳)を対象とし、クロスオーバーデザインの無作為割付比較試験により、手掌部経皮的電気刺激装置を用いた時の不快な情動刺激に対するストレス減弱効果をストレス評価指標(心拍数、心臓自律神経系活動[HF,LF/HF]、唾液中の精神特異的ストレスマーカー、状態・特性不安傾向)の定量により客観的に評価を行った。被験者は5分間の開眼安静(S1およびNSI)ののち、手掌部経皮的電気刺激装置を5分間刺激(S2)または非刺激(NS2)で把持し、その後装置を刺激(S3)または非刺激(NS3)で把持したまま不快な動画を5分間視聴した。 心拍数の平均値は刺激時ではSlに比較しS2で有意に減少し、S3ではS2との間に変化はみられなかった。非刺激時においてもNSIに比較しNS2では減少傾向がみられ、NS3ではNS2との間に変化は認められなかった。HFの平均値はS1およびNSIに比較しS2、NS2では変化はみられず、S3、NS3では減少傾向を示した。LF/HFの平均値は刺激時ではSlに比較しS2で減少傾向を示し、S3ではS2との間に変化はみられなかった。またNSIに比較しNS2では有意に増加し、NS3ではNS2に比較し減少傾向を示した。唾液中αアミラーゼ値は刺激時ではSlに比較しS2では変化はみられなかったがS3で有意に増加がみられ、非刺激時ではNS1に対しNS2、NS3に変化はみられなかった。また唾液中クロモグラニンA値では刺激時、非刺激時ともに変化は認められなかった。 現在は状態・特性不安傾向とその他のストレス評価指標との関連について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
手掌部経皮的電気刺激装置の効果に関する無作為割付クロスオーバー比較試験において被験者から唾液を採取するが、唾液分泌量が少ない被験者では唾液データに欠損が出来てしまい、全データを得られる被験者数の確保に困難を極めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
手掌部経皮的電気刺激装置の効果に関する無作為割付クロスオーバー比較試験での被験者数を確保し解析を進め、その結果を基にして、歯科治療時のストレスへのリラクセーション法の実施とその効果の客観的評価を実施する予定である。
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