2012 Fiscal Year Annual Research Report
DTIの発生機序解明および予防的看護援助技術の開発に関する基礎的研究
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22792132
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松田 友美 山形大学, 医学部, 助教 (90444926)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | DTI / 深部損傷褥瘡 / 繊維芽細胞 / 好中球 / PCNA / マクロファージ / 看護ケア技術 |
Research Abstract |
重篤な損傷に移行しやすい深部損傷褥瘡(DTI)は初期段階では表皮の欠損がないため表層から損傷の程度が推測できず、発見や治療が遅れるという問題を持つ。そのためDTI初期段階の看護ケア介入を開発する意義は大きい。本年度は、褥瘡の動物実験モデルの再現性の確認および創傷全体における細胞動態に注目し発生機序の解明を行った。Wistar系雄性ラット36匹に深麻酔下で手術を施行した。磁石2つを用い、腹腔内に一つもう一つは背側皮膚から着け6時間圧迫し圧迫創を作製した。肉眼的所見は一日目は蒼白、3~5日目には黄色~茶褐色の痂皮を形成した。7日目には創部全体を覆う痂皮となり、21日~28日まで徐々に縮小するが創部を覆っていた。組織学的所見は1日目は真皮の繊維芽細胞の染色性が低下し、創部全体に浮腫が認められた。創部辺縁の皮下組織層と筋層の疎性結合組織内に好中球の浸潤が始まった。3日目に真皮深層の顕著な血管拡張が認められ、真皮層へ徐々に好中球が浸潤した。7日目には顕著な痂皮の形成と痂皮直下にマクロファージ(Mφ)を認め筋層では筋細胞の再生が認められ、核の偏移が顕著にみられた。10日目から14日目には真皮層のMφの集積と毛包の貪食と毛包の崩壊、以降には真皮層の顕著な瘢痕治癒をみとめた。創傷進行の指標としてMφ抗体(RM-4)およびProliferating Cell Nuclear Antigen (PC10)を用い分析した。RM-4陽性細胞は3日目から皮下組織層は全体に、および真皮層と筋層の創部辺縁に集積を認め、徐々に創部に浸潤した。7日目には創中心付近までみられた。14日目には真皮層毛包近傍に集積した。PC-10 陽性細胞率はRM-4陽性細胞数に追随し、依存的に陽性率の増加を認めた。DTIは創部各層および創中心への細胞浸潤の浸潤進度が異なるため創傷が悪化し治癒の進行が遅滞することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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