2011 Fiscal Year Annual Research Report
健康体操による認知症予防効果の生理学的および社会学的実証
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22792145
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福間 美紀 島根大学, 医学部, 講師 (40325056)
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Keywords | 高齢者 / 認知機能 / 介護予防 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き出雲市の住民50名を対象とし「おたっしゃ教室」を実施した。おたっしゃ健康教室は,健康体操や栄養指導,健康講和を中心とした介入を3か月行う。その「おたっしゃ教室」の開始前後,生活習慣,日常生活活動,認知機能等について調査を実施した。認知機能に関する調査は,もの忘れの自覚を中心に11項目とipadによる認知機能検査を行った。 対象者は,教室参加の辞退5名があり,追跡可能であった35名であった。分析は,昨年度の追跡可能者と合わせて79名を対象とし,認知機能の変化について解析した。もの忘れを自覚した平均項目数は,教室前(4.1項目)と比べ教室後(3.0項目)が有意に減少していた(p<0.001)。 ipadによる認知機能検査は,本年度に実施した検査であるため,教室前後で検査を受けた31名を対象に分析した。認知機能検査の平均得点は,教室前(7.55点)と比べ教室後(7.61点)と若干上昇したが,有意な差は認められなかった。今後は,もの忘れの自覚が改善した要因の分析を行う必要がある。 また,雲南市の軽度障がい高齢者75名及び元気高齢者75名の生活機能検査及びMMSEを用いた認知機能調査を実施した。4年後の追跡では,軽度障がい高齢者と元気高齢者の比較で認知症自立度の低下した高齢者数に差があった。今後MMSEの得点と合わせて居宅高齢者の認知機能の低下に絵供する要因を分析する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,出雲市の出雲市の住民50名を対象とし「おたっしゃ教室」の追加調査を実施し,健康体操による認知症予防効果を検証するデータベースを作成した。また,健康体操による認知症予防効果を客観的指標で評価するためipadを用いた評価も実施した。データベースを作成とともに,身体機能,生活機能,社会活性化等の指標との関連を解析中である。したがって,本年度はおおむね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を予定通り遂行するには,データベースを用いて認知機能,社会的活性化,生きがい,身体機能,生活機能の側面から介入による効果の解析を進めることである。また,同時にその成果を雲南市,出雲市などに成果を法臆するとともに,学会,学術誌で発表できるように進めることである。
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Research Products
(2 results)