2011 Fiscal Year Annual Research Report
うつむき姿勢の保持が身体へ及ぼす影響および温罨法、マッサージの効果の検討
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22792149
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古島 智恵 佐賀大学, 医学部, 助教 (00363440)
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Keywords | うつむき姿勢 / 温罨法 / マッサージ |
Research Abstract |
眼科疾患のうち網膜剥離、糖尿病性網膜症、黄班円孔等の網膜疾患は、裂孔部や剥離部の網膜の復位を目的とした硝子体腔内のタンポナーデが行われることが多い。この手術の場合、タンポナーデ物質の浮力により網膜を圧迫し固定を促すため、患者は、術後数日~約10日間にわたり下を向いた姿勢(以下、うつむき姿勢とする)の保持を余儀なくされ、この体位の保持により、多くの患者は、頚部痛、腰痛、頭痛、および精神的な苦痛を訴えることが多い。このような患者の訴えに対し、臨床現場においては、温罨法やマッサージなどの援助が行われることが多いが、これらの援助は、看護師の経験や主観的知見に基づいたものであり、エビデンスが確立されているとは言えない状況にある。本研究は、うつむき姿勢を想定した体位の保持が身体へ及ぼす影響を生理学的および心理学的側面から検討し、更にうつむき姿勢保持による苦痛を軽減するための温罨法およびマッサージの効果を検討することを目的とした。本研究における被験者は、まず基礎的な知見を得るために眼科疾患患者ではなく健常成人とし、眼科疾患術後のうつむき姿勢を想定して測定を実施することとした。更に被験者の年齢は、網膜剥離の発症が10~20歳代および60歳以上に二極化していることや、糖尿病性網膜症および黄班円孔は60歳以上に多く発症することから、本研究では、被験者を20歳代および60歳以上の健常成人とした。 平成23年度は、20歳代健常成人男女計22名を被験者として測定を実施した。測定項目は、心拍数、心拍変動解析による心臓自律神経活動指標、皮膚温、筋硬度、POMSおよびVASによる身体的苦痛の感覚を用いた。現在、測定した個々のデータを分析中であり、今後は統計学的分析を含め更に詳細に分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、倫理委員会での審査、被験者の募集、測定の実施、分析および学会発表の準備を計画していた。現在までに目標としていた20歳代の被験者の測定を実施することができ、現在、分析および学会発表の準備中である。よって、当初の計画通りおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、平成24年度は60歳以上の被験者を募集し測定を行うこととしているが、60歳以上の被験者を目標とする例数募集するのは困難であることが予想されるので、目標の例数の測定が行えなかった場合には、平成25年度にも追加募集し測定を実施していく。更に、平成24、25年度は60歳以上の被験者での分析を行うと共に、20歳代の被験者と60歳以上の被験者との比較を含めた詳細な分析を進めていく。
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