2010 Fiscal Year Annual Research Report
患者の情報プライバシーを考慮した看護退院サマリーによる医療施設間情報共有のあり方
Project/Area Number |
22792154
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
守田 恵理子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (10423849)
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Keywords | 情報共有 / 看護 / 退院サマリー / プライバシー |
Research Abstract |
患者の自己情報コントロール権を尊重した施設間の情報共有のあり方について検討することを目的に、看護退院サマリーによる情報共有の実態について調査を実施するための予備調査を行った。対象施設は、A県内の高齢者保健施設、高齢者福祉施設、訪問看護ステーションとした。調査内容は、医療施設と看護退院サマリーによる情報共有を行う場合の、看護退院サマリーの内容、他施設と共有する情報と、情報の詳細さ、情報のケア・介護への活用度、看護退院サマリーの保管方法などとした。結果、A県内144施設の内、介護老人保健施設43施設(29.9%)、介護老人福祉施設70施設(48.6%)、訪問看護ステーション31施設(21.5%)から、142名分の回答が得られた。看護退院サマリーに含まれていると考えられる項目16項目を提示し、その情報のケア・援助への活用度を「1:全く役立たない」から「3:非常に役立つ」の3段階で回答を求めたところ、「病名」、「内服薬」、「感染症」などの医療的な項目に関してスコアが高かった。一方、スコアが低かった項目は「人間関係」、「性格」などの対象の人格や家庭環境に関わる項目であった。看護退院サマリーに対する要望・希望・意見を自由記載で求めたところ、回答者のうち71名(49.3%)が記載をしており、その内容は《ケアに関する内容》、《治療に関する内容》、《人間関係・性格に関する内容》、《書式に関する内容》の4つのカテゴリーに分類された。 受け取った看護退院サマリーは、事務所で施錠をせずに保管している施設がほとんどであり、施設内の多くの職員が閲覧できる状況であった。平成20-21年度に実施した施設を対象とした調査結果は、第30回医療情報学連合大会で発表し、医療情報学へ論文として投稿し掲載された。
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