2010 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染の接触伝播に関する調査および感染管理のためのシミュレーションによる研究
Project/Area Number |
22792158
|
Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
河野 梢子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (90453240)
|
Keywords | MRSA / 高頻度手指接触面 / 環境表面調査 |
Research Abstract |
目的:MRSAは院内で接触感染を起こす院内感染の主要菌として、有名である。以前は手から手へ伝播していくと考えられていたが、最近になって、高頻度手指接触面(ドアノブやいす)の汚染が感染源になっていることも明らかにされた。今回、病棟内の高頻度手指接触面のうち、具体的にどこにMRSAが潜んでいるのかを明らかにするために調査を行った。調査対象:中規模病院1施設、1病棟とした。調査方法:ふきふきチェックII(栄研)を用い、高頻度手指接触面と考えられるドアノブ、カルテ、点滴スタンド、ナースコールなど計32項目につき、それぞれ2箇所、合計62表面において一般生菌とMRSAについて調査を行った。また、調査結果が一過性のものであるか判断するために、同じ調査を2度行った。病室内の環境表面であるベッド柵などについては、MRSA患者の病室と、一般患者の病室を対象にした。拭き取りの面積については、調査対象項目のサイズ、形が様々であるため今回統一していない。結果:一般生菌について、4表面すべてから20万個以上の菌が検出されたのは、ドアノブ(廊下側)のみであった。3表面より20万個以上の菌が検出されたのはオーバーテーブルの側面のみであった。1表面のみより20万個以上の菌が検出されたのは、カルテ、配薬カート、電話、ナースコールの受話器、ドアノブ(病室側)、床頭台、点滴スタンドなどほとんどの場所であった。MRSAについては、いずれの場所からも検出されなかった。
|