2011 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺全摘除術後患者のためのセクシャリティ尺度の開発
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22792172
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀越 政孝 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (80451722)
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Keywords | 前立腺がん / セクシュアリティー |
Research Abstract |
がん患者のセクシュアリティーの全体像を把握するために、機能障害を持つがん患者に関する研究を概観する必要があると考えた。そこで、まず直腸がん患者の機能障害に関する国内外における研究の動向と課題を検討した.内容は、以下の通りである。 【目的】直腸がん患者は、がんの進行や治療によって機能障害が生じ、排便排尿障害や性機能障害、ボディイメージの障害といった幾多の問題と向き合わなくてはならない。直腸がん患者の機能障害に関する看護系論文を集約し、動向と課題を検討した。【方法】1992-2011年の間に国内外で学術誌に掲載された論文を対象とし、データベースは、国内は医学中央雑誌、Ciniiを、国外はPubMed、CINAHL/MEDLINEを用いた。検索用語は、国内は"直腸がん"、"(機能)障害"とし、看護、原著論文で制限をかけた。一方、国外は"rectal cancer"、"disorder"とし、EnglishとNursing Journalsで制限した。類似概念も検索し、オストメイトを対象とした論文は除外した。抽出した国内外双方の論文をハンドサーチし、研究方法、デザイン、研究時期、内容の分析を行った。【結果】分析対象論文は、国内が8件、国外が5件であり、量53,8%、質30.8%、量質併用15.4%であった。研究デザインは、因子探索研究と関連検証研究が最も多く、それぞれ30.8%であった。研究時期は、治療後が92.3%であり、7.7%は治療前後であった。研究内容は、障害内容や影響する事象に着目し分析した結果、"生活の実態・影響・対処"が46.2%と一番多く、次いで"排便障害評価尺度開発"、"排便障害に対する看護介入の効果"、"他部位がんとのQOL比較"が同数(15.4%)であり、"排便障害と自尊感情の関係"は1件(7.7%)のみであった。【考察】直腸がん患者の機能障害に関する研究は、20年間で20件に満たない状況であった。また、生活上の問題内容や排便障害に限定した内容が多くを占めていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前立腺がん患者のセクシュアリティーを検討する以前に、その他のがんにおける機能障害の実態を明らかにする必要性が出てきた。現時点では、直腸がん患者の機能障害について検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
達成度でも述べたが、現時点では直腸がん患者の機能障害について検討している。今後は、その機能障害の実態を明らかにし、直腸がん患者が、いかに機能障害に適応していくかを明らかにしていく。その結果をもって、がん患者のセクシュアリティーを検討し、尺度開発に活かしていく。また、前立腺がん患者については、面接調査を開始し、抱えている問題状況を明らかにしていく。
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