2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん術後患者のリンパ浮腫発症予防における継続的なセルフケア支援プログラムの検討
Project/Area Number |
22792188
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
鈴木 敦子 宮城大学, 看護学部, 助教 (60527901)
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Keywords | リンパ浮腫 / 乳がん / セルフケア / がん看護 / 継続的支援 |
Research Abstract |
乳がんにおけるリンパ浮腫発症予防のための患者教育の現状と課題を明らかにし、継続的なセルフケア支援プログラム検討の示唆を得るため、本年度は昨年度の調査結果を基に、患者教育の継続、教育項目の実施状況、患者教育における看護師の認識について記述統計を行い、所属施設や患者教育への専門家の関与により相違があるかどうか比較検討を行った。 患者教育を実施している234施設のうち、入院中のみ実施は137(58.5%)、入院中及び退院後翌月以内実施は83(35.5%)であり、乳がん看護認定看護師の在籍や患者教育への関与の有無と、継続的支援の有無に有意な差が認められた(p<0.05)。教育項目で実施率が高い項目は、入院中は「患肢の血圧測定や注射・採血回避の必要性」「患肢の負担軽減」、退院後翌月以内は「リンパ浮腫初期症状」「スキンケア」であった。「放射線療法を受ける際の注意点」「化学療法を受ける際の注意点」はいずれの実施時期においても実施率が低かった。患者教育における看護師の認識調査では、所属施設内教育の浸透度に関する認識、現状の患者教育の充足度に関する認識について、入院中のみ実施施設に所属する看護師と、入院中及び退院後翌月以内実施施設に所属する看護師との認識に有意な差が認められた(p<0.05)。 患者教育の実施率、リンパ浮腫指導管理料算定要件に沿った教育項目の実施率や個別指導実施率が高いことから、リンパ浮腫発症予防の患者教育が均てん化されつつあるが、その多くが入院中のみの実施に留まっていることが明らかとなった。継続的支援の在り方において、乳がん看護認定看護師などのリンパ浮腫発症予防に携わる専門家を中心とし、乳がんの治療過程を見据えた患者教育の実施、他部門・他職種との連携の強化、患者教育に携わる看護師に対する教育の機会や教育内容を充実していく必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)