2010 Fiscal Year Annual Research Report
安全と安心を護る外来化学療法患者の抗がん剤管理・防御のセルフケア支援指針開発
Project/Area Number |
22792195
|
Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
府川 晃子 高知女子大学, 看護学部, 助教 (30508578)
|
Keywords | がん看護 / 外来化学療法 / セルフケア |
Research Abstract |
本研究の目的は、外来化学療法を行う患者の在宅における抗がん剤の安全な管理・曝露からの防御方法に関して、患者のセルフケアに焦点を当てて看護師が行う支援を明らかにすることである。平成22年度は、外来化学療法に関する国内外の文献を検討、また臨床で用いられている外来化学療法に関するパンフレット類を収集し検討した。 海外文献4、国内文献28、パンフレット類7について検討を行った。外来化学療法を受けている患者のセルフケアについては数多く研究がされていたが、副作用への対処に焦点を当てたものが多く、抗がん剤の安全な管理・取り扱いに着目したものは見られなかった。外来化学療法に関する患者への説明パンフレット類にも副作用の早期発見や対処について述べられているものが多く、抗がん剤の安全な管理・取り扱いについては限られた手技についての知識提供や、「緊急時は病院に連絡を」という表現に留めている例がほとんどであった。 日本がん看護学会の外来がん化学療法看護の手引きでは、在宅においては患者の洗濯物を家族と分けること、排泄物の処理には注意が必要なことなどが述べられている。しかし、黒田ら(2010)の調査では、化学療法を行う患者の排泄物の取り扱いについて看護師は「患者・家族に過度の不安や緊張を与えず適切な説明が出来るか」、「曝露対策を行うことで家族に不安を与え家族関係に影響があるのではないか」と感じていることが明らかにされていた。多くの不安を抱えているがん患者に対して、抗がん剤への安全管理についてどのように情報提供してセルフケアにつなげていくかについては、看護師の専門的な判断と技術が必要となると考えられる。 現在は明らかになった内容を踏まえ、より具体的で実践的なセルフケアへの支援を明らかにするため、外来がん化学療法に携わる看護師へのインタビューガイドを作成中である。5月末に所属施設の倫理審査委員会を受審する予定である。
|