2011 Fiscal Year Annual Research Report
安全と安心を護る外来化学療法患者の抗がん剤管理・防御のセルフケア支援指針開発
Project/Area Number |
22792195
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Research Institution | 高知県立大学 |
Principal Investigator |
府川 晃子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (30508578)
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Keywords | がん看護 / 外来化学療法 / セルフケア |
Research Abstract |
本研究の目的は、外来化学療法を行う患者の在宅における抗がん剤の安全な管理・曝露からの防御方法に関して、患者のセルフケアに焦点を当てて看護師が行う支援を明らかにし、セルフケア支援の指針を開発することである。外来化学療法に関する国内外の文献、また臨床で用いられている外来化学療法に関するパンフレット類を収集し、検討した内容をもとにインタビューガイドを作成して、がん診療連携拠点病院の外来で化学療法に携わる看護師にインタビューを行った。対象者は7名で、うち4名はがん化学療法認定看護師であった。外来化学療法に携わった年数は1~6年、平均3.9年であった。インタビュー内容から、曝露予防に関するセルフケアへの支援に関連した内容として17のカテゴリーが抽出された。それらをもとに、外来化学療法に携わる看護師が実際に行っている<外来化学療法における曝露予防へのアセスメントと支援>、<支援を阻害する要因>の2つが明らかとなった。外来看護師は曝露予防への支援に関しても、《病棟と連携を取り初回入院治療時の患者の情報を得る》、《外来受診の時間を効率的に使って支援のチャンスを作る》など、外来患者の支援を行うための普遍的なスキルを活用していることが分かった。また、限られたタイミングでしか患者と関われないという外来の特性から、自宅に幼い子供がいる、介護者による排泄物の処理が必要であるなど、特に支援を必要とするケースを見極めてから支援を行っていることが明らかとなった。支援の阻害要因としては、抗がん剤に関する知識の不足などから曝露の危険性や患者・家族への支援の優先順位が明確化できず、情報提供に迷っている現状が明らかとなった。 今後は看護師自身が曝露予防に対する意識を強めて支援を続けていくとともに、抗がん剤の排泄経路や薬物動態から自宅での曝露のリスクについて判断するなど、抗がん剤に関する知識を強化して、根拠をもった支援を進めていく必要があることが明らかになった。
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