2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792198
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
新井 清美 目白大学, 看護学部, 助教 (50509700)
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Keywords | プレアルコホリック / 早期発見 / 早期介入 / 認識 / 変化 |
Research Abstract |
本研究では、プレアルコホリックという状態を患者自身と同居家族はどのように認識し、その際の心身の状態はどのようなものであり、どう変化していったのかについて明らかにし、プレアルコホリックへの看護介入を行う上での基礎的資料を得ることを目的に、男性アルコール依存症患者と当時の同居家族7組に対して半構成的面接を行い、質的記述的に分析した。 プレアルコホリックの認識は【積極的な効果を求めて飲む】、【危機感のない飲酒】、【対処方法としてのお酒】、【拍車をかけて飲む】、【コントロールして飲む】、【飲んで心身が壊れていく】、【気分がかき乱される】の7つの要素を含み、それらは飲酒による効果を求めて飲んでいる段階、直視し難い現実から逃れるために飲んでいた段階を経て健康上の障害が出現するようになった段階へと変化していった。このことから、医療従事者も適正飲酒の指導、問題飲酒者の抽出や経過観察、短期介入と、段階に合わせた支援をしていく必要性が示唆された。プレアルコホリックに対しては簡単な治療介入により良好な予後が期待できるため、対象がコーピングを図れるような環境調整や、医療従事者による短期の介入によりアルコール関連問題の改善していくこが求められる。 本研究は、男性のプレアルコホリックの認識を明らかとするにとどまった。そのため、今後は女性への調査や成育歴も含めた調査、アルコール性肝障害で内科の入退院を繰り返している者や回復者へも調査を行い、更なる分析が必要である。
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