2012 Fiscal Year Annual Research Report
尿中プロスタグランジンD2を用いた術後せん妄発症予測のための判断基準と介入の評価
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22792199
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
石光 芙美子 目白大学, 看護学部, 講師 (00453457)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | せん妄 / 周手術期看護 / 睡眠覚醒リズム / 前駆症状 |
Research Abstract |
本研究は、術後せん妄発症予測のための臨床で活用可能な判断基準を構築するために、臨床看護師がせん妄症状として観察している観察項目を睡眠物質によって定量化し、判断基準なりうる症状を明らかにすることを目的とした。 24年度に遂行した事項は2点。1.国内における術後せん妄の現状と看護に関する文献レビューを進め、研究実施フィールドでの研究計画に反映させた。2.研究実施フィールドの倫理審査委員会への申請を行い、承認を受け、共同研究者である病棟看護師と研究開始に向けた準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
術当日夜の尿中プロスタグランジンD2の代謝産物量と術後睡眠覚醒リズムによって、術後せん妄の発症リスクの高い患者を選定し、術後せん妄発症予測のための前駆症状を精選することが当初の目的であった。しかし研究フィールドの共同研究者の勤務先異動に伴い、尿検体を採取することが困難になったことから、術後せん妄の判定指標の変更について検討を行った。 また自身の大学内・大学外業務が想定していた以上に拡大し、研究遂行に必要な時間の確保が困難な状況が生じた。 したがって、研究フィールドの倫理審査委員会へ申請・承認を得る段階までの達成度にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
<対象>独立行政法人国立病院機構埼玉病院において予定手術を受け、HCU病棟に入室した患者のうち、術前に研究参加の同意が得られた者とする。ただし、腹腔鏡手術を受ける患者は、術後の回復過程が開腹術を受けた患者と異なるため除外する。予定対象数は約100例。 <方法>1.研究デザイン:前向きコホート研究。2.研究手続き1)術後せん妄の評価:日本語版ニーチャム混乱・錯乱状態スケール。2)術後せん妄の重症度及びタイプの評価:せん妄評価尺度98年改訂版を用いて、せん妄の重症度とタイプの評価を行う。3)術後せん妄前駆症状:石光らの作成した術後せん妄症状観察項目(51項目)。4)術後せん妄の発症に関連する要因:(1)睡眠覚醒リズムと生活リズム(2)手術侵襲に関連する情報3.エンドポイントの設定:術後せん妄を発症した時点(DRS-R98で評価)とし、せん妄を発症した時点で、上記2.研究手続き1)、2)及び3)の評価を終了する。4.分析方法:術後せん妄を発症した患者と発症しなかった患者を、日本語版ニーチャム混乱・錯乱状態スケールの得点及びDRS-R98の得点から分類し、発症前に観察されたせん妄症状の発現回数について統計を用いて比較分析を行う。
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