2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工呼吸器離脱過程における心不全患者に対する看護支援モデルの開発
Project/Area Number |
22792200
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
関根 由紀 杏林大学, 保健学部, 助教 (60549096)
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Keywords | 人工呼吸器離脱過程 / 心不全患者 / 取り組み / 看護支援モデル |
Research Abstract |
初年度である昨年度は、研究領域周辺の文献検索を行い新たな知見を得た。人工呼吸器離脱過程における患者の体験を明らかにする研究の殆どは質的研究で行われており、患者は自分で呼吸ができる自信がなく、離脱に不安を抱くことやコントロールを失う体験、時間と場所のオリエンテーション不足といった様々な体験とそれに伴う心理的葛藤を抱いていたことが明らかとなった。また、離脱過程に携わる看護師の意思決定では、【直観と解釈的な戦略】、【手段となる戦略】、【協力的な(脇同の)戦略】を用いていること等が明らかとなった。また、研究対象者と接する中でその場面の記憶の問題から質問紙により回答を求めることは難しく、研究手法を検討し直す必要があった。現象に迫るには質的研究を行い、グラウンデッドセオリーの分析方法に基づき現象を構造化し、より臨床で活用できる看護支援モデル開発をすることが望ましいと判断した。これらの新たな知見を元に所属学部および医学部の倫理審査委員会に研究申請を行い、承認を得た。 承認後、研究に取り組む中で心不全により人工呼吸管理を必要とした症例はあるが、人工呼吸管理を受けているときから離脱過程における体験やその状況について記憶している症例は少なく、研究協力者を得ることが難しい。そのため他施設へ研究依頼をしたが、施設運営等の問題で協力が困難な状況である。だが、そのような状況の中でも研究協力者は徐々に得ることができており、現在5例のデータを得ることができた。得られたデータより研究協力者たちは、主に看護師と相互作用し、自分自身の体力や気力を信じその過程を乗り越えていることが明らかとなった。今後もデータ収集を行う中で、さらに心不全患者の人工呼吸器離脱過程における取り組みを明らかにし、かつ、本年は看護師からもデータ収集しその過程における看護実践を明らかに、看護モデルを作成していく予定である。
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Research Products
(2 results)