2011 Fiscal Year Annual Research Report
他動的下肢体幹運動および努力性横隔膜呼吸運動が腸管運動に及ぼす影響
Project/Area Number |
22792206
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
森沢 知之 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 講師 (80552512)
|
Keywords | リハビリテーション / 臨床 / 内科 |
Research Abstract |
早期離床を進められない原因の一つに腸管運動の低下があり、離床の重大な阻害因子として挙げられる。腸管運動の促通手法として温罨法や腹部マッサージ、つぼ指圧などの報告があり、現在、臨床現場で用いられている。しかし、その効果は明確ではなく、腸管運動を促通する新たな手法の開発が急務である。 治療上の制約により自動運動や離床が不可能な患者に対して、ベッド上で行える腸管運動の促通手法として、腸管に対し伸縮性の刺激を加える事を目的とした他動的下肢体幹運動および努力性横隔膜呼吸運動が、安静仰臥位に比べてどの程度、腸管運動に影響を及ぼすか検討を行う。 本研究の独創的な点は、従来の温熱効果やマッサージ効果を目的とした手法ではなく、腸管に対し伸縮性の刺激を加えることを目的とした手法の効果を検証する点にある。今後、急性期の入院期間短縮が予想される中、他動的下肢体幹運動、努力性横隔膜呼吸運動が腸管運動を促通する効果があることが証明されれば、早期離床を促進し、入院期間の短縮につながる可能性がある。 昨年度の基礎研究により、他動的下肢体幹運動後の腸管運動は、安静時に比べて有意に腸管運動が増加した。経時的な変化では他動的下肢体幹運動実施後20秒間は安静時と比較して有意に増加しており、その後も有意な差はないものの安静時より高値を示した。努力性横隔膜呼吸後の腸管運動は、安静時に比べ有意な差はなかった。経時的変化では努力性横隔膜呼吸後20秒間は有意に増加がみられたが、その後はほぼ安静時と変わりない値を示した。いずれの手法も持続的な効果はなかったものの、終了後から20秒間までの即時効果は認められた。 今年度は臨床応用の可能性を検討するために心臓外科手術患者を対象に他動的下肢体幹運動実施前後での腸音の比較を行った。結果、安静時に比べ、他動的下肢体幹運動後は腸管活動の促進が認められた。
|
Research Products
(2 results)