2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中トリアージナースの実態と導入・普及に関する研究
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22792208
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
百田 武司 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (30432305)
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Keywords | 脳卒中 / トリアージナース / 実態調査 |
Research Abstract |
脳卒中トリアージナースについて、全国調査により実態を把握することを目的に、脳卒中急性期治療実績のある施設(日本脳卒中学会認定研修教育病院、日本脳神経外科学会専門医訓練施設、及び日本脳神経血管内治療学会認定研修施設の重複を除いた全施設)の看護部長宛に調査票を送付し、脳卒中救急外来の事情を熟知している看護師に回答を依頼し、全ての質問項目について記述統計を行った。なお、調査は無記名で施設名は特定できないようにし、質問紙の返信をもって同意があったとみなした。また、日本赤十字広島看護大学研究倫理委員会の承認を得た。 調査票は1155通発送し、有効回答は263通(22.8%)であった。脳卒中患者のトリアージを実施しているのは63.5%で、そのうち看護師によるトリアージを実施しているのは87.4%であった。トリアージガイドラインがある施設は31.5%、トリアージ教育体制がある施設は21.9%、看護師がトリアージする問題点として最も多いのは、トリアージを実施するスタッフによる能力の違いであった。さらに、トリアージナースの擁護等についての取り決めについてある施設は5.5%にすぎず、トリアージナースの判断の妥当性について医師の検証を行っている施設は24.7%であった。以上より、看護師による脳卒中トリアージナースを導入している施設が多いものの、マニュアルや教育体制や、トリアージナースのフォローアップ体制について整備していく必要があると考えた。しかしながら、看護師がトリアージする効果としては、状態の悪い患者を優先的に診察できる、状態の悪化を予防できる、治療開始までの時間短縮など多岐にわたり、また、現在トリアージナースを導入していない施設のうち、55.4%が今後導入したいと回答した。 したがって、既に脳卒中トリアージナースが有効に機能している国内の先駆的病院において、その専門性、必要な能力、役割や機能、それに問題点等を具体的に調査する予定である。
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